2004年7月27日(火)「しんぶん赤旗」
厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」(会長・渡辺章専修大学法科大学院教授)は二十六日、地域別最低賃金額の目安について、「現行水準の維持を基本として引き上げ額の目安は示さないことが適当」とし、据え置くよう坂口力厚労相に答申しました。「据え置き」は三年連続。
全労連、国民春闘共闘委員会は同日、「どこでも誰でも時間給千円以上を」「正規とパートの均等待遇を」と最低賃金引き上げを求めて、厚生労働省前で同審議会包囲行動を約百人が参加し実施しました。
賃金の最低額を法律で定める最低賃金は、東京の七百八円(時間額)が最高で、フルタイムで働いても手取りが十万円余で生活保護基準にも達しません。全労連は、五百六十人余が最賃生活を体験し、地方議会要請を展開。百六十四議会で意見書が採択されました。
一カ月の最賃体験に二回挑戦し、二度とも途中で断念した全建労の笠松鉄平青年部長(25)は「食費を削らないと生活できない状態。何カ月も続くと病気になる」。千葉労連の松本事務局長も「二十九人のうち、一カ月間続けたのは五人だけ。体重が四キロも減った青年もいた。運動を草の根から広げたい」と語ります。
全労連の大木寿副議長は「若者に自立できる生活を保証することが、日本の将来にとっても重要だ」と訴えました。