2004年7月26日(月)「しんぶん赤旗」
特装自動車メーカー「東急車両製造」(本社・横浜市)製トレーラーのブレーキドラムが走行中に破損し、ブレーキが利きにくくなる不具合が過去五年間で四十二件、発生していたことが二十五日までに分かりました。同社は人身・物損事故はないとしています。
同社は同種事故がこれだけ多発していたにもかかわらず、国土交通省に報告していませんでした。同省は、メーカーの設計・製造上の欠陥か、それともユーザーの整備不良か、精査しています。
ブレーキドラムが破損したのは、福岡県宮田町の運送会社が一九九○年に購入したトレーラー。国交省九州運輸局福岡運輸支局は今年四月、東急側に破損原因についての調査を指示。東急側は同年六月、「ドラム摩耗は使用基準の一ミリ未満だったが、ブレーキをかけた際の摩擦熱で金属疲労を起こし破断したとみられる」とする報告書を提出しています。
ブレーキドラムはブレーキ装置として重要保安部品で、十二カ月点検(車検)の点検項目になっています。同社本社広報部は「ブレーキパッドがドラムを押しつける際、熱によってヒートクラックが必ず網状に発生するもの」としています。