2004年7月25日(日)「しんぶん赤旗」
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家庭での養育が困難なため児童養護施設などに入所している児童数が、二〇〇三年時点で三万八千三百十八人となり、前回調査(九八年二月)に比べて11・3%増えたことが、二十四日までに厚生労働省の調査でわかりました。虐待や経済的理由による入所が大幅に増えています。
調査は、里親に預けられたり、児童養護施設や乳児院などの施設に入所している児童を対象に五年ごとに実施しているものです。
入所の理由では、親の放任や養育拒否を含む「虐待」が28・4%で最も多く、五年前より7・2ポイント増です。破産などの経済的理由が同3・1ポイント増の7・4%と大幅に増加しました。(表)心身の状況については、身体や言語に障害がある児童が全体の二割にのぼりました。虐待などによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える児童は、情緒障害児施設で3・1%、児童養護施設で1・5%、自立支援施設で1・4%にのぼりました。
母子生活支援施設に入所している世帯数は四千三百四十三世帯(2・6%増)。入所理由は、今回の調査から新たに項目に加えた「配偶者からの暴力」が28・4%で最も多く、経済的理由(26・8%)、住宅事情(16・0%)と続きました。