2004年7月23日(金)「しんぶん赤旗」
非正社員は三人に一人を超え、人件費節約のため雇用され、月収二十万円未満が約八割を占める――。厚生労働省が二十一日まとめた「就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況」は、こんな実態を示しました。
それによると、非正社員は五年前(前回調査)より、7・1ポイント増加し34・6%でした。これを雇用者数(二〇〇三年労働力調査)で推計すると、三百七十六万人の正社員が非正社員に代替されたことに相当します。内訳は、パート労働者23・0%、契約社員2・3%、派遣労働者2・0%などとなっています。
非正社員を雇用する理由は上位三つが、「賃金の節約のため」51・7%、「一日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」28・0%、「景気変動に応じて雇用量を調整するため」26・5%で、いずれも人件費削減が目的です(複数回答)。
非正社員の実態では、月額賃金が「二十万円未満」は約八割(78・0%)を占めます。現在の会社での就業期間がもっとも多いのは「二―五年未満」30・9%。「五―十年未満」18・7%、「十年以上」12・8%と長期化が目立ちます。派遣労働者では、違法派遣にあたる「五年以上」の回答が15・5%ありました。
現在の就業形態を選択した理由では、派遣労働者の四割が「正社員として働ける会社がなかった」と回答しています。