2004年7月17日(土)「しんぶん赤旗」
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超党派の国会議員でつくる「ラムサール条約登録湿地を増やす議員の会」(清水嘉与子会長、約百二十人)は十五、十六の両日、北海道北部のサロベツ湿原(豊富、幌延両町)、クッチャロ湖(浜頓別町)などを視察し、現地の実情や地元自治体、自然保護関係者の意見を聞きました。
ラムサール条約は、水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地や生息・生育する動植物の保全を促進することを目的にし、現在、国内十三カ所、道内六カ所が指定されています。
視察には清水会長をはじめ、日本共産党の岩佐恵美(同副会長)、紙智子両参院議員ら七人が参加しました。
一行は、豊富町宮の台展望台でサロベツ湿原(約三万ヘクタール)や酪農地帯の様子を視察。その後、サロベツ原生花園のビジターセンターを訪れ、工藤栄光同町長や「NPOサロベツ・エコ・ネットワーク」の村元正己理事長らから湿原の現状を聞きました。
工藤町長は、地下水の低下でササ類が広がるなどの乾燥化を説明し、「基幹産業である酪農と湿原再生を両立させる努力をしている。タンチョウの営巣が六月に確認され、町民の関心も高まっている」と話しました。
幌延町ではパンケ沼などを視察し、宮本明町長から話を聞きました。
紙議員は「酪農と自然保護を共存させるのは難しい問題もありますが、地元の意向をよく聞いて対応していきたい」と語りました。