2004年7月16日(金)「しんぶん赤旗」
【サンサルバドル(エルサルバドル)=菅原啓】メキシコのアギラル前国連大使は十四日発行のスペイン紙パイスでのインタビューで、米英軍のイラク侵略について、同国内に大量破壊兵器が存在するという英情報機関の報告に基づいたものではなく、ブッシュ米政権の「政治的意図によって」行われたと発言しました。
アギラル氏は、イラクへの米英軍の侵略を認めるかどうかで激しい議論となった昨年の国連安保理の協議に国連大使として参加していました。
米英両国は昨年初め、英情報機関の報告をもとに、安保理各国が開戦を認めるよう説得活動を続けていました。アギラル氏は、昨年三月四日に英情報機関の高官と会見したエピソードを紹介。同高官が、イラクに大量破壊兵器が存在しない可能性があることを認めるとともに、侵略の根拠として利用された二〇〇二年九月の報告が情報機関員によってではなく、「ブレア首相のオフィスによって」準備されたものであると語っていたことを明らかにしました。
アギラル氏は昨年十一月、米国がメキシコを「裏庭扱い」していると発言。米政府が抗議する中で、辞任に追い込まれています。