日本共産党

2004年7月16日(金)「しんぶん赤旗」

日歯連マネー

自民・各派閥や公明、民主 総汚染

橋本派 公表額の50倍のヤミ献金


 橋本龍太郎元首相の派閥、平成研究会側に一億円のヤミ献金、元自民党国会議員が業務上横領容疑で逮捕――。日本歯科医師会(日歯)をめぐる疑惑が十五日、新たな展開をみせました。巨額の献金をばらまいて要求実現をはかってきた日歯とその政治団体・日本歯科医師連盟(日歯連)の政官界工作の実態がさらに浮かんできたわけで、疑惑の全容解明がいよいよ重要になってきました。


各党・議員に 全容解明の責任

図

 日歯前会長の臼田貞夫被告(73)らが、自民党橋本派(平成研究会)に渡した一億円は、二〇〇一年七月の参院選比例区に日歯の職域代表候補として、元日歯会長の中原爽参院議員(橋本派)を擁立する際の選挙対策資金とみられています。

 平成研は、十四日付で政治資金収支報告書を訂正し一億円の収入を記載しました。三年以上たってからの訂正という事実自体、この資金が表にできない裏金だったことを示しています。

自民と業界の癒着

 本紙の調べによると、二〇〇〇年から〇二年の三年間で、日歯連から平成研への献金は二百万円しか報告されていません。公表額の五十倍ものヤミ献金があったことになります。

 日歯連が〇一年に自民党の政治資金団体や政治家にばらまいた公表献金額は、約七億四千万円です。この七分の一近い金が自民党の最大派閥にヤミで流れていたことになります。自民党と業界団体の癒着の奥深さを示すものです。

 同時期に自民党の他派閥が日歯連から受け取った献金は、亀井派六千六百四十六万円、堀内派二千万円、森派九百九十一万円、山崎派八百十二万円、高村派三百五万円など。これらの派閥に日歯連からのヤミ献金はなかったのかの解明も必要です。

266人への献金

 橋本元首相は、臼田被告が就任を要請した日歯連顧問十六人の一人でした。顧問には、ほかに森喜朗元首相、青木幹雄参院幹事長、古賀誠元幹事長、麻生太郎政調会長ら有力政治家が名前をつらねています。

 日歯側は、贈収賄事件のテーマとなった診療報酬改定問題で、日歯連顧問や、自民党の医療基本問題調査会のなかに設置された「少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会」のメンバーに陳情を重ねてきました。

 これら日歯連顧問、小委員会メンバー、公明党の坂口力厚生労働相を含めて、日歯連側から献金を受け取った国会議員は、本紙の調べで二〇〇〇年から〇二年の三年間で、自民、公明、民主の二百六十六人にのぼります。

 さきに社会保険庁元長官、連合前副会長の二人が診療報酬改定をめぐる贈収賄で摘発された事件の裁判は八月から始まります。今後、刑事責任の追及はもとより、日歯連マネーを受け取った政治家、政党はその献金の内容について国民の前にすすんで明らかにする責任があります。


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