日本共産党

2004年7月15日(木)「しんぶん赤旗」

BSE

感染疑い牛 3/4 は素通り

米農務省検査に重大欠陥


 【ワシントン=浜谷浩司】二〇〇二―〇四年に米国内で見つかったBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)感染の疑いのある牛六百八十頭のうち、米農務省が検査したのは四分の一以下の百六十二頭にすぎないことが十三日、明らかになりました。同省の内部監査報告で明らかになったもの。米国の検査体制は「科学的だ」とする米政府の主張を覆すもので、米国産牛肉の輸入再開に向けた日米交渉に大きな影響を与えるのは必至です。

 ベネマン農務長官が米下院政府改革委員会で十四日にBSE対策の報告を行うのを前に、同委員会のワックスマン議員(民主)は、対策への疑惑を指摘した同長官あての書簡を発表。そのなかで、農務省監査室の調査報告草案を公表しました。

 検査が一部にとどまった原因として報告は、検査要件の混乱があったほか、障害を判定した食品安全検査局と検査サンプルを収集する動植物健康検査局との間で調整がなかったとしています。報告は「米国でのBSE感染に関するいかなる主張も信頼性が低下する」と指摘。「科学的だ」と主張し、全頭検査を拒否している米政府の姿勢に疑問を投げかけています。

 昨年末に米国で初のBSE感染が確認された際、日本政府は米国産牛肉の輸入を停止し、「全頭検査と同等の検査」を求めましたが、米側はこれを「非科学的」と拒否してきました。専門家による日米作業部会の最終会合は二十一、二十二の両日に日本で開かれ、八月の局長級協議で日本側の具体的な輸入条件を決める予定です。


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