2004年7月14日(水)「しんぶん赤旗」
政府は十三日「沖縄のジュゴンの保護に関する質問主意書」に対する答弁書を決めました。答弁書では、初めて沖縄のジュゴンが種の保存法の選定要件に該当することを確認するとともに、ジュゴンの生息条件の整備、個体数の維持・回復を図る方針を明らかにしました。質問主意書は、日本共産党の岩佐恵美参院議員が提出していたもの。
沖縄のジュゴンは、種の保存法制定の際、当時の環境庁と水産庁の覚書で法の対象から除外されました。しかし、二〇〇一年三月の予算委員会で岩佐議員の質問に対して当時の谷津農水相が、「覚書からジュゴンを外してもよい」と答弁し、ジュゴンを種の保存法の対象にする道が開かれました。岩佐議員は、政府がその後三年間、ジュゴンと藻場の広域的調査をしながら、いまだにジュゴンを種の保存法に指定していないことについて、政府の姿勢をただしました。
答弁書は、沖縄のジュゴンが、種の保存法の国内希少野生動植物種の選定要件である「その存続に支障を来す程度に個体数が著しく少ないか、又は著しく減少しつつあり、その存続に支障を来す事情がある種」に該当することを確認。「選定に向けて保護対策の検討に必要な情報やデータを収集すると共に、関係者の理解を求めてまいりたい」としています。
また、米軍の演習によるジュゴンへの影響について、答弁書は日米合同委員会環境分科委員会の枠組みを通じてアメリカにジュゴン保護の配慮を求めていると答えました。さらに、ジュゴン保護のために政府が講ずる措置について、「引き続き、ジュゴンの生態等に関する知見を収集し、生息条件の整備並びに個体数の維持及び回復を図るための措置を検討してまいりたい」とこたえました。