2004年7月10日(土)「しんぶん赤旗」
会議では12球団すべての選手会長が発言。いまの思いを球団側にぶつけました。
「もっと話す機会をもってくれないのか」(近鉄・礒部)、「選手、ファンの声がほとんど無視されている。どうしてこうなったのか、情報公開してほしい」(西武・和田)、「12球団存続の方向で運営できるように再度検討を」(日本ハム・小笠原)、「ファンの反対を押し切って(合併を)やったら、必ずしっぺ返しをくうと思う」(阪神・今岡)
しかし球団側の反応は、まともに選手の声には答えず、冷たいものでした。「今回の合併は唐突に出てきたものではない」などとして、自分たちの経営の苦しさを訴えるだけ。しかも、赤字の根拠を示す具体的な資料やデータは一切なく、これでは「納得できない」という選手が多かったのも当然でしょう。
「第三者も入った検討委員会(仮称)の設置」など、選手会側のさまざまな要求や提案についても、「まともに取り上げてもらえなかった」(古田選手会会長)といいます。
この会議の前日、選手会がオーナーとの会談を求めたことについて、巨人の渡辺オーナーは「無礼なこというな。分をわきまえなきゃいかん。たかが選手が。オーナーと対等に話す協約上の根拠は一つもない」と放言しました。
日本のプロ野球では長年、弱い立場に置かれていた選手の意見がほとんど反映されてきませんでした。それは今回の1リーグ制に向けての動きのなかで、選手やファンの声が無視される異常さにも現れています。
古田会長が「われわれはファンの気持ちを背負っていると思っている」というように、選手とファンが一体となってあきらめずに声をあげ続けることが、健全な球界づくりにつながるはずです。
代田幸弘記者