2004年7月9日(金)「しんぶん赤旗」
参院選挙の投票日まであと二日となりました。年金改悪やイラク派兵など悪政を土台から改革し、平和とくらしを守り日本の未来を開く願いをどうか日本共産党にお寄せください。最後までまわりの方に日本共産党への支持の輪を広げてください。 |
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日本の年金はヨーロッパに比べて貧しいといわれますね。その根っこには大企業やゼネコンに有利な税金の使い方と集め方のゆがみがあります。
ヨーロッパでは、税金は社会保障に一番使うのが当たり前ですが、日本では社会保障に二十五兆円、公共事業に四十兆円と逆立ちしています。
大企業が税や社会保険料を負担して社会を支えるのは当然ですね。ところが日本では大企業減税が繰り返され、大企業が負担する税と社会保険料の水準は、フランスの半分、イギリスの八割まで下がってしまいました。
このゆがみをただせば十八兆円の財源が生まれ国民負担増なしに年金は充実できます。
企業・団体献金を一円も受け取らない日本共産党だから、「大企業が主役」の政治にメスを入れ、本当の年金改革を実現できるのです。
財界・大企業からヒモ付き献金をもらっている自民・公明では年金を貧しくするばかりです。
やはり大企業から献金をもらう民主党の案でも「高負担・給付減」は自公と変わりなく、違いは財界が喜ぶ消費税増税を真っ先に掲げていることだけです。政治のゆがみを土台からただしてこそ本当の改革ができます。
小泉首相は「集団的自衛権を行使できるために憲法改正を」と公然といいだしました。イラク戦争のようにアメリカが勝手な戦争を起こしたときに一緒に武力行使ができるようにするためです。
民主党も公明党も改憲案づくりを始めています。九条改憲でも民主党の藤井幹事長は「集団(的自衛権)を書き入れる」とのべました。
憲法九条は侵略戦争の反省から生まれた日本と世界の宝物です。アメリカの無法を許さない声が世界中に広がっているときに、憲法を変えてアメリカと戦争できるようにすることは、日本が世界から孤立する道です。
ところが自民、民主、公明はこの九条を総がかりで削り取ろうとしています。社民党も憲法改定とアメリカいいなり政治の大もとである日米安保条約を容認したままです。
こんなときだから憲法を守り平和をつらぬく日本共産党を大きくしてほしいのです。
日本共産党は戦前の暗黒時代から命がけで侵略戦争反対を主張し続けた政党です。イラク戦争反対の世論を広げるために開戦前から中国や中東諸国、南アジア諸国など世界中をかけ巡って活動しました。日本共産党が伸びてこそアジアと世界の平和をまもれます。
首相は「景気が回復してきた」といいますが実感できますか。相次ぐリストラで、一九九七年から五年間に正社員は四百万人も減らされる一方で、パートなどの不安定雇用が三百七十万人も増えました。
若者に不安定雇用が広がり五人に一人がフリーターです。
こんなことになるのは政府が財界・大企業のリストラを後押ししているからです。
九九年、リストラをすれば税金をまけてやる産業再生法が自民、公明、自由(当時)の賛成で成立しました。大企業は四年半で九万人も社員を減らし八百七十億円も減税されました。一人首切るごとに九十二万円が減税された計算です。
〇三年には民主も賛成してこの法律が延長されました。
日本は、雇用を守るルールがヨーロッパに比べても弱すぎます。
日本共産党はリストラを規制し、長時間労働をなくし、パートなどに対する均等待遇を保障して安定した雇用を増やすことを訴えています。サービス残業をなくすだけでも百六十万人の雇用を増やせるのです。それができるのは、企業から献金を一切受け取らない政党だからです。
政治の中身を変える一票になるでしょうか。民主党がめざす政治は自民党と同じ土俵の上に乗っているからです。
年金問題では、保険料引き上げの自・公か消費税引き上げの民主かの、負担の方式の違いはあっても、負担増と給付減を押しつける点では同じです。
「戦争はしない、軍隊は持たない」と決めた憲法九条を変える点でも両者は競い合っています。
奥田日本経団連会長は就任あいさつにきた岡田民主党代表に「早く二大政党の時代をつくってほしい」と激励しました。
財界が求める消費税増税は、この選挙で民主党が真っ先に言い出しました。日本経団連は自民党とともに民主党にも“通信簿”を付け、「合格点」を出しました。これからこの“通信簿”に沿って企業献金を出していこうとしているんです。
自民党と同じ土俵の上にたって「政権交代」だけを問題にする政党がいくら伸びても、悪政を変える力にはなりません。
日本共産党は、財界・大企業の応援ではなく国民の暮らし・仕事を応援する、アメリカいいなり政治の根本にある安保条約をなくして世界とアジアの平和・友好に貢献する――という本当の改革の道を提案しています。政治のゆがみを大もとからただす政党が伸びてこそ暮らしも平和も守れるのではないでしょうか。
日本共産党は、国民と草の根で結びついた大きな力を持っています。
四十万人を超える党員と四千人を超える地方議員が二百万人の「しんぶん赤旗」読者の協力も得ながら、国民の要求実現にとりくんでいます。
共産党員が首長の自治体は、三年前より一市二町村増えて三市九町村。東京・狛江市では、矢野ゆたか市長が、自民・公明から民主まで一緒になった相手候補との八対一の力関係をはね返して三選を果たしました。
国会でも、「道理の力」で政治を動かしてきました。年金改悪法の審議で「百年安心」のウソを真っ先に明らかにしたのは日本共産党でした。イラクへの自衛隊派兵問題でも、政府が現地調査前に“安全”とする報告書を作っていたことを明らかにし、「共産リード役に」と報じられました。
暮らしをまもる点でも実績をあげています。
サービス残業(ただ働き)の問題では、二十八年前から二百四十回以上とりあげ、政府に是正の措置をとらせて二百六十億円の不払い残業代を払わせました。
道理の力と草の根の力が結びつけば、政治は変えられます。この流れを大きくしてください。
「保険料に上限」「給付減に下限」と大ウソをついて年金改悪法を強行した自民・公明。
年金改悪に反対といいながら、「三党合意」を結んで衆院での強行採決を認めてしまった民主。
こんなありさまを見ればそう思うのも無理はないと思います。でも、日本共産党のように、国民を裏切らず、本当の改革をめざす政党があることを知ってほしいのです。
年金改悪法をめぐる最後の攻防を思い起こしてください。民主党と社民党が参院本会議をボイコットするなか、成立に反対する七―八割の国民の声を代弁してたたかったのは日本共産党でした。
消費税問題では、自民・公明も民主も二〇〇七年度からの増税を計画。小泉首相が「早く協議を始めたほうがよい」とのべ、選挙が終われば増税協議に入るという切迫した事態になっています。自民、公明、民主に一票を投じれば、増税の“白紙委任状”を与えることになってしまいます。
日本共産党は、税金の使い方と集め方を国民のくらし第一に改革して、消費税に頼らなくても安心できる社会保障の制度をつくる道を示しています。日本共産党を伸ばして政治を変え、一緒にくらしを守りましょう。
私たちは、共産党という名前を、未来社会を展望している私たちの党にふさわしい名前だと思っています。
私たちはいま、資本主義の枠内で「国民が主人公」の日本をきずく民主的な改革をめざしています。同時に、人類は資本主義を乗り越えた社会―社会主義・共産主義の社会にすすむという展望をもっています。
旧ソ連などを連想する方もいるかもしれませんが、旧ソ連は「社会主義」とは縁のない人間抑圧型の社会でした。
私たちが考える社会主義・共産主義の社会は、人間の自由・個性が花開く社会です。人間が本当の意味で社会の主人公になる道が開かれます。「共産」という言葉も、コムニース(共同)という語源からきたものです。
もう一つ、知ってもらいたいのは、日本共産党の名前には、侵略戦争反対、国民主権を命がけでたたかった歴史や活動が刻まれていることです。私たちの先輩には、そのために命を落とした人もたくさんいました。
いま、自民党などが「戦争をする国」をめざそうとしているときだけに、戦争反対を貫いてきた日本共産党の歴史が輝いていると思うのです。