日本共産党

2004年7月7日(水)「しんぶん赤旗」

消費税増税、憲法改悪の悪政

とめられるのはどの党か

自民・公明と同じ方むく民主党


表

 「戻らぬ支持 悩み自民」「小泉人気に陰り」――全国紙がこう書きたてるほど、年金改悪法の強行、多国籍軍への自衛隊参加などへの国民の怒りが小泉自公政権を襲っています。自公政治を変えたいという願いを本当に生かせるのはどの党でしょうか。消費税問題と憲法問題という二大テーマでみてみました。

07年度増税計画

ストップどころか推進

 消費税は“福祉のため”と称して導入されましたが、導入後十六年、福祉を充実させるどころか、大企業の減税の穴埋めに使われてきました。この間の消費税総額が百四十八兆円、法人税の減収は百四十五兆円です。

 福祉の分野では、サラリーマン医療費自己負担を二割から三割に引き上げ、高齢者医療費を一割の定率負担にするなど、相次ぐ改悪が国民に押しつけられてきました。さらに自民・公明与党は、年金だけでなく医療、介護など社会保障全般の財源として、二〇〇七年度をめどに「消費税を含む抜本的税制改革を実現」すると合意しています。

 しかし、民主党はこの消費税増税計画にストップをかけるのではなく、3%の年金目的消費税を〇七年度から導入する方針です。「(年金の財源は)保険料だけでは足りない。あえて消費税を充てるんだと選挙のときだが勇気をもって正直に申し上げている」(岡田克也代表)といって与党に消費税増税の態度を明確にするよう迫っています。

 結局、与党と民主党の違いは「消費税も保険料も、右のポケットから出すか左のポケットから出すか、これだけの話」(自民・鴨下一郎議員、四月九日、衆院厚労委)。民主党も「どこのポケットから出すにしても、給付の水準を一緒にするためには負担の水準は一緒になるのは誰がやったって一緒で、打ち出の小づちはない」(枝野幸男議員、同)と応じ、負担増では自民党と同じ立場です。

「武力行使」へ改憲

「創憲」掲げ自民と競う

 小泉純一郎首相は〇五年までの改憲草案策定を自民党に指示しました。同党は参院選前に「戦力の保持」や海外で武力行使ができるようにする集団的自衛権の明記などを盛り込んだ「論点整理」をまとめました。

 首相は「憲法を改正し日本が攻撃された場合にはアメリカと一緒になって行動できるようにする」と集団的自衛権の行使に踏み込む重大発言をしました。アメリカの先制攻撃の戦争に自衛隊を送りだし、一緒に戦争できるようにするためです。

 民主党はこの道にストップをかけているでしょうか。岡田代表は「国連が行う集団安全保障にもっと協力すべきだ。憲法できちんと位置付けるべきだ」と、九条を改定する意向です。民主党の憲法調査会では六月に、今年中にまとめる「憲法提案」の中間報告をまとめましたが、そのなかでは国連の軍事活動への参加とともに、「自衛権」の名による「武力の行使」も明記しています。

 藤井裕久幹事長は「個別的自衛権もいま日本の憲法には書いていない。集団(的自衛権)を含めて書くということはやらなきゃいけない」(四日の民放番組)と明言。参院選候補も「二〇一〇年までに憲法改正すべきだ」(東京選挙区)、「(集団的自衛権の行使は)認めるべきだ」(京都選挙区)とのべるなど、党内では「創憲」のもとでの改憲機運が高まっています。


日本共産党は二大悪政に正面からたち向かいます

 日本共産党は、消費税増税と憲法改悪という日本の進路と暮らしにかかわる二大悪政に正面から反対しています。

 消費税について日本共産党は、所得の少ない人ほど負担が重い「福祉破壊税」だとして反対しています。立場の弱い人の暮らしを支える社会保障の財源という口実で増税することは本末転倒だからです。日本共産党は消費税増税反対を公約にかかげる唯一の政党です。

 自民、民主、公明などがなにかといえばすぐに消費税増税に財源を求めるのも、大企業・財界の横暴にメスをいれられないからです。

 日本共産党は、財界・大企業から一円の献金ももらわず、何の腐れ縁もない政党ですから、税金の集め方でも、大企業に甘い自民党政治のゆがみにメスをいれることができます。大企業の税と社会保険料負担はフランスの半分、イギリス、ドイツの三分の二程度であり、ヨーロッパ並みの応分の負担を求めることは決して無理難題ではありません。

 日本共産党はこの土台の改革で、消費税増税など国民に新たな負担をかけることなしに、安心できる年金制度を実現しようと訴えています。

 憲法九条は、「戦争のない世界」をめざす国際社会のさきがけとして、いま世界でも高い評価をうけています。日本共産党は、この憲法九条改悪に反対する一点での国民的共同を呼びかけています。

 こうした立場をつらぬけるのも、改憲とアメリカいいなり政治の根源にある日米安保条約をなくすという点でただ一つ一貫している政党だからです。民主党が自衛隊の海外派兵の問題で大揺れになるのも、その大もとで自民党と同じ土台に立っているからです。


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