日本共産党

2004年7月7日(水)「しんぶん赤旗」

鼓動

近鉄・オリックス合併問題

球界の未来を託せるのは


 5日に行われた二つの会議は、球界の現状を如実に表しました。

 プロ野球選手会労組(古田敦也会長=ヤクルト)は、日本野球機構との団体交渉で大きくいって二つの提案をおこないました。一つは合併の結論をすぐに出さず、選手やファンも含めて十分な話し合いを行うこと、構造的な問題にメスを入れずに球団を削減することが球界の発展につながるのか、というものでした。

 しかし、この選手会の提案は、引き続き行われた12球団の代表者会議では議題にも上りませんでした。話し合われたのは、合併へ向けてのすり合わせ。新球団ができた場合の選手保有数や本拠地の問題など、どれも球団や親企業の都合を優先にすすめられたのです。

 古田会長が「大阪にいくと、ファンから身売りでもいいからバファローズを残してほしいといわれる」と話すように、選手会の提案の背景には、ファンの声があります。

 現場の選手たちは直接ファンの声を聞き、選手会には、合併に反対する意見や、球界への提案などのメールが多数、届いているといいます。

 スタンドでは、合併反対のプラカードや横断幕が掲げられ、各球場では連日、合併に反対する署名行動が繰り広げられています。IT企業が買収に名乗りを上げると、あるスポーツ紙のアンケートでは「身売り賛成」が84%に達しました。

 一方、「すでに合併は決まったことのように話す(球団)代表もいた」(古田会長)というように、球団側は既成事実を積み上げ、ファンや現場の声を押しつぶそうとしています。

 球界の未来を考えている組織はどちらか――。それが鮮明になったといっていいでしょう。栗原千鶴記者


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