2004年7月6日(火)「しんぶん赤旗」
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福岡県北九州市の建設会社が、協力会社などに公明党参院選比例候補への「期日前投票」を依頼する文書を送りつけ、投票予定者名簿を期限をつけてファクスで返信するよう求めていることが、本紙が入手した文書で五日までにわかりました。特定の候補者名をあげており、公職選挙法第一四六条違反(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)の疑いがあります。
この候補者は、ひろ友和夫氏。北九州市議、衆院議員を経て、六年前、福岡県選挙区で参院議員に初当選、今回、九州・四国を地盤に比例候補として再選を目指しています。環境副大臣や公明党の国土交通部会長などを歴任しています。
本紙が入手したのは、北九州市小倉北区にある建設会社の代表取締役名で出された「期日前投票依頼」と題した文書(二日付)。「内部資料」と書かれていますが、あて先は「建親会会員及協力会社各位」となっており、仕事の関係などを通じて配布されています。文書は、「弊社としては投票日前日までひろ友和夫を支援する輪をもっともっと大きくしたいと願っております」と明記。期日前投票ができる予定の人の名前と社名を書いて「8日(金)」(注・文書のママ)までにファクスで返信するよう求めています。
ファクス番号の下には「目標 期日前投票予定者 一社一名以上」とあり、四人分の記載欄があります。
この会社は福岡県や北九州市、九州電力などの仕事を受注しています。
公選法第一四六条は、候補者の名前を表示した文書などを配布したり、掲示してはならない、としています。また、同社の取引先という関係を利用して依頼しているとすれば、公選法第二二一条の利害誘導の疑いも出てきます。