2004年7月6日(火)「しんぶん赤旗」
日本野球機構と労組・プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルト捕手)との団体交渉の場である協議・交渉委員会が5日、都内のホテルで開かれ、近鉄とオリックスとの合併問題で、選手会側が「ほかに方法はないか、十分に議論されたか大いに疑問。せめて1年くらい(結論を)延ばし、多方面から検討する時間をつくってほしい」(古田会長)と要望しました。
同交渉委には近鉄、オリックスの球団社長ら10球団の代表者と選手会側から古田会長、近鉄、オリックスの選手会長らが出席。合併問題について初めて説明を受けました。近鉄買収に名乗りを上げた企業については「信頼できない」とする趣旨の発言があったといいます。
これに対し、選手会側は野球協約に定める「特別委員会」の開催を再度求めるとともに、シーズン前に近鉄が提案した命名権についての再考も促しました。
古田会長は「納得できなかった」と感想を述べ、ドラフト制度や30億円ないし60億円という参加料の問題など「構造的な問題に一切メスを入れず、合併で縮小してファンは付いてくるのか」と訴えました。ストライキの行使についても「いろいろなことは考えないといけない」と含みを持たせました。
選手会の顧問弁護士は、特別委が開催されずに合併が正式決定した場合、コミッショナーへの提訴や法的措置も考慮に入れて対応することを示唆しました。