2004年7月3日(土)「しんぶん赤旗」
各警察官の捜査旅費振込口座やキャッシュカードなどが一括管理されていた京都府警の不正経理疑惑で、振り込まれた旅費などが慶弔費や飲食代など別目的で支出されていたことが複数の関係者の証言で二日、分かりました。警察庁が一九九七年四月に個人口座への振り込みを制度化したにもかかわらず、口座一括管理で裏金化が続いていた実態が浮かび上がりました。
関係者の証言によると、ある部署では、国費の捜査旅費の支出が認められる広域指定事件で、いったん各捜査員に支給された旅費を口座から引き出させ、これを改めて幹部が集めるケースもありました。
捜査員の親族が亡くなった時の弔慰金などに充てられたり、捜査協力者へ謝礼として支払われたりしました。捜査員の打ち上げの際などの慰労費として飲食代に使用されたこともあったといいます。また、別の部署では、集められた旅費を各人に均等に振り分け、出張や交通費を利用しなかった捜査員にも支払われました。このため、実際に出張した者が「不公平」と声を上げたことがあったとされます。
別の関係者は「部署によって口座の管理方法はさまざまだが、(口座の)一括管理が公然と行われていることは事実。捜査旅費や激励費が国費として多額に支払われるシステム自体を見直す必要がある」と指摘しています。
京都府警は疑惑が浮上した六月二十九日、調査チームを発足させました。府警本部会計課は「調査中なので詳細はコメントできない」としています。