2004年7月3日(土)「しんぶん赤旗」
参院選投票まであと九日となった二日夕、日本共産党の不破哲三議長は東京・JR新宿駅西口のデパート前や陸橋を埋めた二万人の聴衆を前に、小池晃比例候補、今村順一郎東京選挙区候補とともに街頭演説に立ちました。不破議長は「日本の主人公は大企業・財界でもなければアメリカでもない。国民こそ国の主人公。その主人公が声をあげれば政治は変わる」と日本共産党の前進を力を込めてよびかけました。話がすすむにつれ、膨れ上がった聴衆は熱心に聞き入りました。
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「憲法が大問題になってきた」と切り出した不破議長は、小泉首相がイラク戦争支持、自衛隊派兵、多国籍軍参加で「日米同盟」を、国の行動の最高の基準、事実上の憲法扱いする態度をとってきたと告発。首相は言い訳として「国際社会」を持ち出すが、それがいかに誤っているかを明らかにしました。
いまの国際社会のルールである国連憲章は、ブッシュ米政権がとっている先制攻撃は認めておらず、無法な戦争に「同盟国だから」といって賛成し、軍隊を送るような同盟関係も認めてはいません。
このことを指摘した不破議長は「重大なことは、その首相がその間違った道をさらに突進しようとしていることだ」とのべ、選挙戦の論戦で首相が“憲法改定は「集団的自衛権」のため”と言いだしたのは、アメリカと一緒に戦争のできる「同盟国」になることに狙いがあると強調しました。
日本が憲法を改定し、アメリカの横暴勝手な戦争に武器をもって参加することは、世界の平和の流れに逆行する道であると同時に、アジアから決定的に孤立する道になると警鐘を鳴らし、「いまやめるべきは憲法ではなく、アメリカ言いなり政治の根っこの日米軍事同盟ではないか」と訴えました。
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そして、日本の政党で憲法改定に反対する立場をつらぬくと同時に、日米軍事同盟をなくすことを主張している政党はだれか―と問い掛けた不破議長は、それが日本共産党だとのべ、与野党を問わず多くの政党が自衛隊の海外派兵の問題で大揺れになるのは、憲法と日米安保条約の問題で自民党と同じ土台にたっているからだと指摘。“三十年間まもりぬいてきた首都東京の共産党の議席は、憲法擁護・安保反対の声を代表する議席、改憲勢力に渡すわけにはゆかない”と訴えて、大きな拍手に包まれました。
経済・年金の問題でも自民党政治の土台を変えないと本当の改革はできないと訴え。外交では、北朝鮮問題の解決で積極的な役割を果たしたこと、イラク問題でも戦争に反対する独自の野党外交を展開してきたことなど、日本の安全と世界の平和をめざす積極外交の姿を生き生きと描きだしました。
最後に、年金国会での各党の状況と対比しながら、議会政治を徹底して守りぬく日本共産党の活動ぶりを紹介。これは、戦前の暗黒時代から、侵略戦争反対とともに国民主権・「国民が主人公」の民主主義を命がけで貫いた歴史と信条に裏付けられたものだと強調。
日常の活動でも、「国民との草の根の結びつきをなによりも重視している」とのべ、四十万人以上の党員が二万五千の支部をつくり活動していること、地方議員数四千百四十人で他党すべてを抜いて第一党であることなどを報告しました。なかでも、東京・狛江市では、自民・公明・民主・生活者ネットの総がかりで共産党員の矢野市長を倒そうとかかってきたが、市民と日本共産党の共同の力で総選挙の得票比八対一の力関係をひっくりかえして矢野市長三選を勝ちとったと報告すると、割れるような拍手が起こりました。
不破議長は、共産党員首長が現在、三市九町村、前回参院選から四自治体で増えたこともあげ、「国民の声を代表する政治は、国民の支持を受けて、じわりじわりではあるが着実に広がる」と訴えました。
「いまの日本の政治は、国民の怒りという強い嵐がおそいかかり、有権者と政党の関係が大変動のただなかにある」とのべた不破氏は、「大企業・財界が主役、アメリカ言いなりという自民党政治と同じ土台の上にたって、『政権交代』だけを問題にする野党では政治は変わらない」とのべ、自民党政治を切りかえる大波が「二大政党」論をのりこえて前進することを強調。“日本共産党が大きな国会議員団をもっていると国会が元気になる”というのが、他党も認める歴史の事実だとのべ、「日本共産党の大きな前進をかちとって、国民のために元気で働く国会をつくろう」と力強く呼び掛け、大きな拍手に包まれました。