日本共産党

2004年7月2日(金)「しんぶん赤旗」

所得格差がさらに拡大

所得再分配調査 米英に次ぐ大きさ


グラフ

 世帯の所得格差が過去最高になったことが一日までに分かりました。厚生労働省がまとめた二〇〇二年の所得再分配調査報告書によると、前回調査時(一九九九年)より所得格差はさらに拡大しています。

 世帯ごとの所得格差の大きさを示す「ジニ係数」が、当初所得(雇用者所得や事業所得などの合計額)では、〇二年に〇・四九八三となり、八四年調査から連続的に上昇しています。今回の調査では、小泉内閣のもとでも、所得格差が拡大していることが明らかになりました。

 再分配所得(当初所得から税金や社会保険料を控除し、社会保障給付を加えたもの)の「ジニ係数」は〇・三八一二となりました。厚労省は、所得再分配によって、所得の均等化が進んでいるとしていますが、八四年以降の調査結果で見ると、再分配後の所得格差も最悪の水準となっていることが分かります。

 再分配後のジニ係数を国際比較すると、日本は、アメリカ、イギリスに次いで所得格差が大きい国となっています。

 同調査は、厚労省が、社会保障および税による所得再分配の実態を明らかにするために三年ごとに実施しているもの。今回は、全国の世帯(一万百二十五世帯)を対象にし、有効回収率75・3%でした。


カット

ジニ係数 所得や資産の格差の広がり具合を表す際に用いられる指標で、イタリアの数理統計学者ジニが一九三二年に考案した指数です。ジニ係数は、〇から一までの値をとり、〇に近いほど所得格差が小さく、一に近いほど所得格差が大きいことを示しています。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp