日本共産党

2004年7月1日(木)「しんぶん赤旗」

けいざい なぜなぜ 問答

消費税増税で誰が得する?

価格に転嫁できる大企業



 自民・公明両党も民主党も二〇〇七年度から消費税を増税すると言ってます。消費税増税って、誰が得するんですか?
写真

買い物をする人たち=東京都内

 消費税は、低所得者ほど負担の重くなる不公平税制です。今でさえ買い物のたびに5%が課税され、痛みを感じる消費税。さらに税率が上げられると一番激痛を押しつけられるのは庶民です。

 「消費税は公平だからいいのでは」との声もあります。たしかに、買い物のたびに5%の消費税が課税される消費税は、あらゆる世代が“広く”“公平に”負担しています。しかし、その“公平さ”が問題です。

 家計の年間収入にたいする消費支出の割合を見てみましょう(図、家計調査から)。低所得者ほど、消費支出の割合は増加します。年間収入が約百四十万円の世帯では、その割合は98・5%に達し、約千三百八十万円の世帯の二・五倍です。

低所得ほど重い

 毎日のくらしに必要な消費は、高所得世帯も低所得世帯も、それほど変わるわけではありません。したがって、低所得世帯ほど全収入にたいする消費支出の比重は増えます。つまり、収入にたいする消費税の割合は、低所得者ほど重くなり、より家計にとっての痛みが増すというわけです。

グラフ

 自民党や公明党などの賛成で税法が改悪され(〇三年三月)、今年四月から、年間売り上げが一千万円以上の業者が、課税業者として、税務署に消費税を納税しなければならなくなりました。

 中小業者は、ただでさえ大手スーパーとの価格競争にさらされたり、下請け単価の切り下げ強要にあえいでいます。こうした状況のもと、商品や製品に消費税分を転嫁できず、身銭を切って消費税を負担している業者が約六割(〇二年、全国商工団体連合会の調査)にのぼります。

財界のねらいは

 庶民や中小業者にとって「痛み」でしかない消費税増税です。では、得をするのは誰でしょうか。

 大企業は、製品の製造や流通にかかった消費税額を、すべて製品価格に転嫁することによって消費者に負わせ、自らは負担を避けることが可能です。

 大企業はまた、消費税分を価格に転嫁しても、その分をコスト削減や仕入れ価格の抑制によって価格値上げを抑えることができ、価格競争でも有利な立場に立つことができます。

 何よりも財界・大企業が消費税増税を求めるのは、大企業の税と社会保障(保険料)の負担を軽くするためです。

 保険料の場合は、企業が一部を除いて半分を負担(労使折半負担)しています。このため、財界の要求は、保険料負担を軽くする、できればなくしてしまえというものです。財界はさらに法人課税のいっそうの引き下げも要求。これらの肩代わり財源を、消費税の増税で生み出せばいいという身勝手なものです。

 自民党や公明党、民主党が消費税増税を推し進める背景には、こうした財界の思惑があるのです。消費税増税を主張する政党にはカネも出すと財界は露骨です。


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