日本共産党

2004年6月30日(水)「しんぶん赤旗」

ハンセン病療養所の重監房

「復元」署名10万人超す

厚労省に提出


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重監房の復元を求める署名を手渡す(左から)宮坂代表、谺会長ら=29日、厚生労働省

 ハンセン病療養所の栗生(くりう)楽泉園(群馬・草津町)にあった「重監房(特別病室)」の復元を求める署名が、このほど十万七千人分を突破しました。重監房の復元を求める会、ハンセン病裁判を支援し、ともに生きる会、ハンセン病国賠訴訟全国原告団協議会が二十九日、署名を厚生労働省に提出しました。

 患者への懲罰を目的に、一九三八年に建設された重監房では、収監された九十三人のうち、二十二人が命を落としました。戦後の人権闘争で使用が禁止されましたが、建物は取り壊され、基礎部分のみが残っています。強制隔離の象徴だった重監房を「負の遺産」として復元しようと、昨年五月から本格的に署名が取り組まれていました。

 原告団協議会の谺(こだま)雄二会長は、「重監房は日本のアウシュビッツと言われ、らい予防法を象徴するものだ」と強調。同席した日本共産党の山口富男衆院議員は、「予算措置も含めて、真摯(しんし)に検討を」と訴えました。

 北海道から参加した安念優子さん(52)は、「重監房跡を訪れたとき、地底から亡くなった人の思いが立ち上ってくるようだった。署名を集めるなかで、多くの人と生きることの大切さを語り合えた」と語りました。

 参加者は署名提出後、ひきつづき復元を求める署名を集めていくことを確認。代表の宮坂道夫さん(新潟大学助教授)は、「重監房は、医療の面から見ても特異な存在だ。世界的な存在として残さなければならない」と話していました。


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