日本共産党

2004年6月28日(月)「しんぶん赤旗」

まり子・蹴人の

サッカーくじ談議

推進したのは自民・公明・民主

スポーツ予算大幅増めざす共産党


蹴人 売上げ減で思惑破たん

まり子 スポーツ振興の妨げね

 まり子 サッカーくじ(toto=トト)の売り上げが落ちこんでいろんな影響が出ているみたいね。

 蹴人 そうなんだよ。国はサッカーくじの売り上げを当てにしていたんだけど、売り上げが落ちこみ、思惑が破たんして、スポーツ振興への助成がむちゃくちゃな状況になっている。

 まり子 どんな状況なの。

 蹴人 たとえば今年、日本体育協会へのサッカーくじ助成が一気に95%も減額されてしまったんだ。日本オリンピック委員会が五輪強化選手に最高で月に20万円支給しているんだけど、これが2004年度分は10月から3カ月間カットだって。

 競技団体や地方自治体への助成金も、02年度約58億円から03年度26億円に削減された。さらに今年度のトトの収益からの助成はゼロ。その結果、深刻な影響が出て、地域のスポーツクラブなどは備品購入をあきらめたり、スポーツ教室の開催回数を減らしたりせざるをえなくなっている。

 まり子 サッカーくじがスポーツ振興を妨げているってことね。これじゃあ、財源確保の意味もなくなっているわね。サッカーくじってサッカーの試合結果にお金を賭けるものでしょう?

まり子 かけ事で予算ってひどい

 蹴人 そう、まぎれもないギャンブルだよ。トトはJリーグ13試合の勝敗を予想し、昨年登場したトト・ゴールは5試合の得点を予想する。それぞれ1口100円で当せん金は最高で1億円。今年からは繰り越し金がある場合は2億円まで出ることになった。でも人気は落ちるばかり。昨夏には、当初やらないといっていたコンビニエンスストアでの販売を始めたし、今年3月から競技場販売まで強行したけど、歯止めはかけられない。

 まり子 ギャンブルでスポーツ予算をつくろうなんて、ひどい話ね。

 蹴人 そもそも国のスポーツ予算が少ないことが問題だよ。当時の文部省(現、文部科学省)や自民党を中心にしたスポーツ議員連盟がスポーツ振興策の「切り札」として推進したんだけどね。

 まり子 確か12年前にサッカーくじ導入の構想が出されて、反対の声が多く出てたわ。法案提出の動きがあるたびに、PTAや教職員組合、スポーツ、女性、消費者の団体などと、日本共産党の共同の運動で食い止めてきた。5回にわたって提出を阻んだのよね。

国民の声無視

 蹴人 でも1998年に国民の声を無視して成立させた。たしか法案が審議されたとき当時の文部大臣はサッカーくじ実施後も「国の予算がいやしくもへっこむようなことがあってはならない」といっていた。実際にはスポーツ予算は大きく削られてしまったよ。98年の体育・スポーツ予算は363億円あったけど、04年は264億円。サッカーくじの助成額6億円を足しても270億円にしかならない。

 まり子 このようなサッカーくじの問題点を国会で指摘し、一貫して反対したのは、日本共産党だけだったわ。

 蹴人 当時、法案の強行成立に自民党は党議拘束までかけて推進した。民主党、自由党などや、公明党の前身の平和・改革、社民党の議員の多くが賛成にまわったんだ。

 まり子 そうね。その後も、日本共産党は、コンビニエンスストアでの販売に反対、さきの党大会決定でも「サッカーくじの廃止」を提案しているわ。“百害あって一利なし”だもの。

スポーツ貧国

 蹴人 今度の参院選でサッカーくじ推進の政党に審判を下し、“国の責任でスポーツ振興を”と提案する日本共産党を伸ばしたいね。ドイツではスポーツ環境整備計画に約1兆1千億円の予算が組まれているというよ。日本のスポーツ予算は270億円。とても“文明国”とは言えない水準だ。

 まり子 まったくね。こんな日本の貧困なスポーツ行政を変えるために、スポーツ予算の大幅な増額に力を入れるという、日本共産党のスポーツ政策を大いに訴えていきたいわね。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp