日本共産党

2004年6月28日(月)「しんぶん赤旗」

工場閉鎖で解雇は無効

長野地裁上田支部

東北住電装の労働者再び勝利


 長野県上田市にある東北住電装の工場閉鎖にともなう解雇を無効として労働者がたたかっている問題で、長野地裁上田支部(深沢茂之裁判長)は二十五日、同支部が昨年十一月にだした仮処分決定を不服とした会社側の異議申し立てを退け、労働者側全面勝利の決定をだしました。

 決定は、“八人が東北に転勤しており、東北での勤務はあながち不可能ではない”との会社の主張を、“八人は全従業員のわずか一割弱であり、転勤に応じた八人のうち一人は直後に退職していることからすれば、東北転勤は労働者にとって過酷な選択肢”と却下。「信州工場がなくなった現在、岩手工場への転勤に応じられないのであれば、解雇は当然」という主張も、「解雇に至る過程が適正でなかったことを問題にしているのであり、事実上労務を提供する場所がなくなったことでただちに解雇が正当なものになるわけではない」と退けました。

 争議は二〇〇二年九月、住友電装の100%子会社・信州ハーネス(当時)がグループ会社の東北住電装への吸収合併と工場閉鎖を発表。約九十人いた労働者に岩手への遠距離転勤か解雇かの二者択一を迫ったことにたいし、二十数人の労働者が労働組合を結成。解雇無効を求めてたたかっています。〇三年十一月に長野地裁上田支部は、労働者に「雇用契約上の権利を有する地位」を認め、会社に賃金の支払いを命じていました。

 田中真奈美JMIU東北住電装支部委員長、井上今朝雄JMIU長野地方本部委員長は談話を出し、「住友グループの無法なリストラを断罪し、全国の工場閉鎖、解雇反対の運動を励ますもの」とのべています。 


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