2004年6月27日(日)「しんぶん赤旗」
参院選公示直前から公示後にかけて、埼玉県内で日本共産党を中傷する出所不明のビラが配布されている問題で、日本共産党の富樫練三参院議員と並木武雄・埼玉県委員会書記長は二十六日、県選挙管理委員会を訪れ、厳正な対処を求めました。
県選管の陣内博書記長は「選挙の公正を害するもので、公職選挙法違反の疑いが強い」との見解を示しました。
問題のビラは、「許せません“犯罪”行為の影に共産党関係者あり?」と題した赤・青二色刷りのもの。「日本共産党に謝罪を要求する市民グループ」と名乗っていますが、連絡先などは明記されていません。これまでに越谷、さいたま、熊谷、所沢など九市で見つかっています。
富樫参院議員と並木書記長は「内容は比例代表の候補者である日本共産党をおとしめるもの。同一のビラが広範囲で配布されていることからも、日本共産党と党候補を落選させるため組織的・計画的に準備・配布されたものであることは明らかだ」と指摘。公選法第一四六条(文書図画の頒布又は掲示につき禁止を免れる行為の制限)違反にあたるのではないかと問いただしました。
県選管は、配布した個人・団体の意図が不明だとして断定は避けましたが、「公選法一四六条違反の疑いがある。県警の取り締まり本部に連絡する」とこたえました。
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日本共産党のイメージダウンをねらった出所不明のビラ配布という卑劣なやり方は、二〇〇〇年総選挙や二〇〇一年の参院選挙で、公明党・創価学会がおこなった謀略ビラ配布とまったく同じ手口です。ビラの内容も、昨年のいっせい地方選挙直前に、創価学会員の出版社社長と著者が出した反共謀略本『拉致被害者と日本人妻を返せ』と酷似しています。
謀略本について日本共産党は、名誉棄損と著作権侵害にあたるとして、出版社社長と著者などを被告として提訴しています。