2004年6月25日(金)「しんぶん赤旗」
公明新聞に二十の会社の連名で「実現力!! 公明党」などと宣伝する見開き広告が掲載されました。これらの企業が丸ごと公明党を応援しているかのような異様な内容です。広告掲載企業からは、「そんな形で掲載されるとは聞いていない」との答えが数社から返ってきました。
問題の広告は六月十九日付に掲載された四―五面見開きの五段広告。見開きの左右に、小田急電鉄や鴻池組など二十社の企業名が並び、中央に「実現力!! 公明党」といった大きな文字が躍っています。
一見して、企業の広告か公明党の広告か、見分けがつきません。
そのうえ、左下の隅に「頑張れ!公明党――私たちも期待しています。」と書かれており、これらの会社があたかも会社として公明党を応援しているかのような印象を与えています。
しかし、広告を載せた企業のうち大手企業数社に聞いてみると――。
「うちとしては、あくまで会社をPRするつもりで広告を出した。『頑張れ公明党』『期待しています』などは事前に関知していなかった」(大王製紙)
「公明新聞さんから依頼があって広告を出したが、出し方(掲載の仕方)、出方は聞いてなかった」(小田急電鉄)
「広告代理店を通しているのでこういう形になるとは知らなかった」(鴻池組)
会社の宣伝のための広告が公明党応援の広告にすりかえられた形です。
公明新聞の広告代金は一段十六万円ですから、五段広告二つ分(百六十万円)を二十社で割ると、一社当たり八万円になります。
公明党の機関紙「公明新聞」には、トヨタ、松下電器産業、富士通、日立製作所、NECなど、大企業の広告がよく掲載されています。昨年十一月の総選挙投票日直前には、日歯連贈収賄事件の“主役”、臼田貞夫被告と坂口力厚生労働相との対談の体裁をとった大型広告が掲載されたこともあります。
公明党の政治資金収支報告書によると、二〇〇〇年=四億三千百四十四万円、〇一年=四億一千三百二十五万円、〇二年=四億四千八百三十七万円の広告収入が記載されています。〇二年を例にとると、広告収入は、党費(約十一億円)の約40%、国民の税金である政党助成金(約二十九億円)の約15%に相当、かなりの比重を占めています。これらは形を変えた企業団体献金と批判されています。