2004年6月25日(金)「しんぶん赤旗」
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日本共産党の不破哲三議長は二十四日夕、埼玉・JR大宮駅西口前での第一声で「どの政党が力を伸ばしたら、日本の政治のよどんだ状況が打開できるのか」と問いかけ、参院選の争点をふまえて日本共産党がどんな政党でなにをやろうとしている政党かについて訴えました。
まず、日本共産党が国民の立場で本当の改革を実行できる政党だ、ということです。
不破議長は、日本の年金制度の財政の貧しさの大もとには、(1)公共事業優先という税金の使い方(2)他の資本主義諸国に比べても大企業の負担が少ないという大問題があり、そこに手をつけてこそ国民の願いにこたえる本当の年金改革ができると強調。日本共産党はその立場にたっているからこそ、国民に重い負担をかけることなしに、年金の内容を抜本的に充実させる改革を提案できるのだと、問題の大きな道筋を明らかにしました。
自民・公明両党、民主党からは、掛け金値上げ、消費税増税という国民負担増の考えしか出てきません。これは「社会保障を貧しい状態にしている財界・大企業中心というゆがみに手をつける勇気と立場がないからだ」とのべ、「新たな国会で悪法強行の自民・公明に審判を下し、改悪年金法の実施をやめさせ、国民討論をまきおこしてまともな年金案をみんなの力でつくりだそう」と訴えました。
外交問題では、アメリカ言いなりから抜け出すことが大きな問題です。
不破議長は、自衛隊のイラク派兵強行、多国籍軍参加も決定した日本にたいするアメリカの次の注文が「憲法の制約なしに戦争のやれる状態で自衛隊の派遣を」というもので、憲法改定論の狙いもそこにあるとのべ、民主党がイラク派兵でたえず揺らぐのも自民と改憲を競い合っているからだと指摘しました。
不破議長は、憲法改悪で日本がアメリカの先制攻撃戦争に武器をもって参加する国となれば世界平和の大きな流れに逆行するだけでなく、アジアから決定的に孤立すると警告し、「いまやめるべきは憲法ではなく、アメリカ言いなり政治の根源―日米安保条約だ」と訴え。憲法改定に反対し、日米安保条約をなくすことを主張している政党は日本共産党しかないと力説しました。
そして「年金でも海外派兵でもぶつかるのは“大企業が主役”“アメリカ言いなり”という自民党政治の土台。この同じ土台にのって政権交代をという民主党のやり方では本当の改革の道は開かれない。大企業・財界と何の腐れ縁もない清潔な国民の党、アメリカであれ、どんな大国の横暴も許さない自主独立の党、日本共産党が伸びてこそ国民が望む本当の改革への展望が開かれる」と訴え、大きな拍手に包まれました。
不破議長は、日本共産党が間違った政治に対決し、国民の利益にたってたたかいぬく政党だと強調。しかしこれは「なんでも反対」ではなく、北朝鮮問題のように国民の利益にかかわる問題では、小泉内閣のやることでも、大きく道理を進んでいると思えば評価もし協力もするという立場を示し、日本共産党が北朝鮮問題で果たしてきた役割を力説しました。
さらに、日本共産党が独自の外交でも日本の安全と世界の平和のために積極外交を展開している政党であることを、イラクに代表団を派遣して談判し、国際査察の無条件受け入れを約束させるとともに、周辺のアラブ諸国と戦争反対の広範な合意をかちとるなど、この間に展開してきた野党外交で示しました。
最後に不破議長は、日本共産党が議会政治を徹底して守りぬく政党だ、と強調。先の通常国会で年金問題、イラク問題などで政府のごまかしや悪政を明らかにし、政府・与党の年金改悪法の暴挙にたいしても堂々と反対討論をおこなったたたかいを紹介しました。
こうした立場は日本共産党が戦前から「国民が主人公」・国民主権の民主主義を信条として、その立場を命がけで貫いてきた政党だからだとのべ、「希望ある未来を開くため、国民の党、平和と民主主義の党、自主独立の党である日本共産党へ」と訴え、拍手に包まれました。
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「小泉自公内閣の失政、保守二大政党の悪政競い合いを許さず、共産党が躍進してこんなまやかしの政治は一刻も早くやめにしてほしい。友人、知人に共産党への支持を呼びかけます」=埼玉県鷲宮町から来た主婦の永井恒子さん(53)=
二十四日夕、不破議長を迎え、さいたま市の大宮駅西口で開いた街頭演説。デッキや階段に聴衆が次々と足を止めてぎっしりと埋まり、大型映像車の前に人だかりができるなど、約一万三千人が耳を傾けました。
あべ幸代埼玉選挙区候補は「九年間の革新の議席を必ず」と力強く訴え、大門みきし比例代表候補は「『構造改革』に真正面から対決し、現実政治を動かす日本共産党の躍進を」と呼びかけました。
演説を聞いていた佐々木ルリ子さん(53)は「日本共産党が世界になくてはならないこと、自主独立の立場でやってきたことがよく分かりました。みんなに広げていきたい」。