2004年6月23日(水)「しんぶん赤旗」
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昨年十一月の総選挙で小泉首相(衆院神奈川11区)が、日本歯科医師連盟(日歯連)と関連地方組織から計二百五十万円の選挙資金を受けるなど小泉内閣の閣僚全体の約八割にあたる十四人が日歯連献金を受けていたことがわかりました。これは一面所報の日歯連とその地方組織の全国調査などで判明したものです。
本紙調査によると献金を受けていた閣僚と二十四日公示の参院選予定候補者の献金額は別表のとおりです。閣僚トップは亀井善之農水相で八百九十六万円でした。
このうち小泉首相は、前回衆院選公示(十月二十八日)の四日前に横須賀市歯科医師政治連盟から五十万円、公示翌々日の三十日に日歯連、神奈川県歯科医師政治連盟から各百万円の寄付をもらっています。
この選挙のさい、小泉首相は、当時の臼田貞夫日歯連会長=診療報酬改定をめぐる汚職事件で起訴ずみ=と、愛知3区から立候補した自民党の吉田幸弘候補(落選)を名古屋で応援。機関紙「日歯連盟だより」(二〇〇三年十一月十五日号)は、「小泉総裁・臼田会長そろって遊説」「和やかに“小泉・臼田懇談”」という見出しで、いっしょに応援演説したことや、ホテルで昼食をともにしながら懇談したことを紹介しています。
小泉首相は、二〇〇〇年六月の総選挙でも日歯連の推薦を受け、神奈川県歯科医師政治連盟から百万円の「推薦料」を受け取っていました。
臼田被告は、〇二年五月二十四日、首相官邸を訪ね、石原伸晃行政改革・規制改革担当大臣(当時、現国土交通相)、安倍晋三官房副長官(同、現幹事長)とともに小泉首相と懇談。首相の地元歯科医師連盟とのかかわりや、日歯連の選挙への取り組み、歯科医療問題などについて、意見を交わしています。
きたる参院選では、各党の企業・団体献金に対する姿勢が問われています。
汚職・腐敗の根源である企業・団体献金にどっぷりつかっている自民党の「選挙公約」には、企業・団体献金についての言及が一言もありません。
公明党も「参院選への改訂版マニフェスト(政策綱領)」に、「議員や官僚の特権・慣習にメス」という項目はありますが、企業献金にはふれずじまいです。
政権与党は、企業・団体献金にメスを入れようとはしていません。
昨年七月、経団連の奥田碩会長と会談した際、「民主党に懸けていただきたい」(菅直人代表=当時)、「政治改革や政権交代への姿勢なども基準にしてほしい」(岡田克也幹事長=同)などと、財界に献金あっせんをねだっていた民主党はどうか―。「政権政策」では「政治資金の『全面公開』で、国民に見える透明な政治を」「公共事業受注企業からの政治献金を全面禁止します」という程度にとどまり、企業・団体献金禁止は主張しません。