2004年6月20日(日)「しんぶん赤旗」
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「休みがなく、脳出血で倒れた」―。十九日、三十一都道府県で実施した「過労死・過労自殺一一〇番」(主催・「過労死一一〇番」全国ネット)には、休日もなく、深夜に及ぶ長時間労働で過労死や過労死寸前まで追い込まれた深刻な相談が相次ぎました。
相談件数は百九十九件(一県が未集計)。うち労災補償相談(死亡・療養)が九十二件を占め、このうち脳・心臓疾患が四十四件、自殺二十五件、自殺以外の精神疾患十八件。予防・働きすぎに関する相談が約半数の八十九件にのぼりました。
相談事例では、「宮崎―大阪間を休みなしで三往復し、荷物を積んでいる途中で心筋梗塞(こうそく)で死亡した」五十代のトラック運転手、「朝八時に出勤し終電で帰宅。納期前は帰宅できないこともあった。うつ病で通院中」という男性システムエンジニアのケースなどがありました。
また、夫や息子の働きすぎを心配する家族から、「朝六時に出勤、深夜零時の帰宅が続き、顔色も悪い。待遇改善をするにはどうすればよいか」(流通・管理職)、「ダムの設計業務で連日深夜零時すぎまで残業。これでは過労死する」(研究所職員)などの相談が多数寄せられました。
同全国ネットは「相変わらず深刻な相談が多い。過労死をなくすとりくみをさらに強めていきたい」としています。