2004年6月20日(日)「しんぶん赤旗」
「まともな論戦をしているのは共産党だけだ」。道路公団民営化法案を審議中の四月、日本共産党の穀田恵二衆院議員事務所に公団OBが電話してきました。
小泉「構造改革」の“目玉”とされた道路関係四公団の民営化。日本共産党は、そのねらいがムダな道路建設は続け、四十兆円の借金を国民に押し付けることにあると追及。道路整備計画を廃止し計画的に借金返済していく本当の改革案を掲げました。
自民、公明の議員が計画の全面実施を求め、民主党からも「クマが通っても結構な道路はあっていい」(古本伸一郎衆院議員)との声があがりました。新規建設の凍結、抜本的見直しを主張したのは日本共産党だけです。宮本岳志参院議員は、三本も高速道路が並走することになる第二名神の二区間を「これ以上のムダはない」と中止を迫り、石原伸晃国交相に「選択肢に入る」と初めて認めさせました。大阪・枚方市の計画予定地に住む元山薫さん(70)は「他党が取り上げないなか、宮本議員が追及して答弁を引き出してくれた」と話します。
四十兆円の借金返済計画について、低金利や交通量増加など前提が狂えば破たんし、税金で穴埋めすることになると追及(富樫練三参院議員)。小泉純一郎首相は「その想定通りならそうなる」と認めました。
日本共産党は、新規建設にストップをかければ国民負担なしに返済ができ、料金引き下げと将来の無料化に進めると提案しています。
一方、民主党の高速道路無料化案は、年金財源などに充てるべき税金を性急な無料化のため毎年二兆円も投入するものでした。税金の使い道を誤ったもので民主党議員も「非常に無理があった」(大江康弘参院議員)と認めざるをえませんでした。
「需要予測と実績との乖離(かいり)が年々拡大し」ており、事業は「改めて検討すべき」――。借金が雪だるま式に膨らみ問題になっている関西空港。その二期事業の再検討を求める決議が参院決算委員会で、全会一致で採択されました(五月三十一日)。
当初、決議案には関空問題は含まれていませんでしたが、日本共産党の小林みえこ参院議員がずさんな需要予測と赤字拡大を示すと、与党理事からも「これはひどい」と声があがり全会一致に。「地元で決議が実現した話をすると、ワーッと拍手がおこるんです」(小林議員)。
地方への国庫補助負担金と地方交付税の削減をねらう「三位一体改革」。日本共産党は、〇四年度予算で地方への税源移譲額が補助金や交付税の削減額の12%にすぎないと追及、税財源の拡充を求める自治体の声を代弁して奮闘しました。
八田ひろ子参院議員は、補助金削減で休日当番医制度が廃止になる愛知県の町村の実態を指摘、「福祉、くらしの切り捨てだ」と追及。吉井英勝衆院議員は、北海道・小樽市の山田勝麿市長が交付税の削減で赤字予算を組んだ窮状を示し、「地方財政の切り捨ては許されない」と迫りました。
日本共産党は、福祉・教育の補助金や交付税の削減に反対。公共事業を誘導する補助金を減らし、地方の財源に回すことなどを提案しています。
民主党は、十八兆円の補助金削減、交付税削減など、政府と同じ土俵に乗っています。自治体によって住民サービスに格差が生まれ、税収の乏しい町村などを苦境に追いやるものです。
細川豊史記者
(つづく)