2004年6月20日(日)「しんぶん赤旗」
【ブリュッセル=片岡正明】ブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は十八日、不当解雇からの保護や女性、高齢者を含めた欧州市民の基本権の擁護とともに、独自の大統領と外相を置くなどの機構改革を盛り込んだ欧州憲法を採択しました。対話を通じ、諸国家の統合をめざし、共通の憲法を持とうとする動きは、かつて東西にわかれて対立した過去を乗り越えた壮大な実験ともいえます。
一方、EUの執行機関である欧州委員会の次期委員長の人選については、意見が一致せず、先送りとなりました。
採択された憲法は、第二部「欧州連合の基本権憲章」で、人間の尊厳、自由、平等、連帯、社会的諸権利などを網羅。「被雇用者は不当解雇からの保護を請求する権利をもつ」「雇用、労働内容、報酬も含め男女の平等は確立される」「被雇用者は、ストライキも含め集団行動の権利を有する」「尊厳ある、独立した、社会的文化的生活における年配者の権利を認め、尊重する」など注目される条文が含まれています。