2004年6月15日(火)「しんぶん赤旗」
全国無認可保育所連絡協議会(大津栄一会長)の役員や入会園の代表が十四日、東京都千代田区の厚生労働省を訪問。「『無認可保育所には消費税の納税義務がない』とする意見表明を早急にすること」を求めた請願書を厚労大臣あてに提出し、懇談しました。請願代理人の浦野広明税理士も同席しました。
同省の担当者は、消費税非課税に向けて新たな課税基準を作成する作業をすすめていることを話しました。
参加者は「毎日、残業、土曜日も仕事、という状況で仕事を辞めずにいられるのは、時間外保育をする無認可保育所があったから。どうして無認可保育所には消費税を払えというのでしょう」という母親の手紙を紹介。宮崎市のタンポポ保育園の河野秀子園長は「宮崎市は無認可保育所への補助金がゼロ。認可園に先駆けて産休明けや障害児保育を実施してきたが、経営は厳しく、何度も閉園を考えた」などと発言し、子どもの成長を保障し労働力を支えてきた役割を伝えました。
財務大臣にも請願書を提出。担当者は「厚労省から基準が出されれば、検討する」と答えました。
日本共産党の大門みきし参院議員が参加者を激励しました。
浦野広明税理士(立正大学教授)の話 消費税法は、その納税義務者の要件を「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある」(五条)としています。
そもそも無認可保育所は「消費税納税義務者」にあたりません。なぜなら「資産の譲渡」とは、会社や個人営利事業者が利益を得るために商品の販売やサービスを提供することであり、無認可保育所は営利活動とは無縁だからです。
消費税法は別表で、社会福祉法が定める「児童福祉法に基づいて設置される保育所」を非課税事業としています。無認可保育所は、児童福祉法二四条第一項のただし書きによって、市町村が果たすべき保育の義務の一部を担っている児童福祉施設であり、認可保育所と同じく非課税事業です。
これまで国税庁が消費税法をねじまげて解釈し、それに基づき各地の税務署が、消費税納税義務のない「無認可保育所」に納税を強いろうとしてきたことに問題があるのです。