2004年6月12日(土)「しんぶん赤旗」
診療報酬改定をめぐる汚職事件で前会長らが起訴された日本歯科医師会の政治団体・日本歯科医師連盟(日歯連)は十一日の臨時評議員会で、参院選で職域候補を擁立しての組織選挙をとりやめることを決めました。自民党の有力支持組織が、選挙直前に「撤退」を宣言するのは異例。自民党は参院選で日歯連以外にも業界団体候補を多数擁立しており、同党の業界団体ぐるみ選挙のあり方が改めて問われます。
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日歯連は同日、第九十三回臨時評議員会を都内で開催。執行部が、今回の参院選で日歯連が推薦を決めている元厚生官僚の笹井啓史・自民党参院比例候補の選挙を取り組むことを提案し、無記名投票がおこなわれました。投票総数七十九票中、賛成二十八票、反対四十八票と反対が大きく上回りました。
臨時評議員会終了後、記者会見した大久保満男新会長は、前会長らが起訴されたことについて謝罪。参院選については「反対票が一定あれば撤退するつもりだった。反対が賛成を圧倒した」として今回の参院選からの撤退を宣言しました。
大久保新会長は、政治献金について「公表できる範囲で政治献金をしていきたい」とのべました。
笹井候補は「組織の意向に従うのが基本」としつつ、自民党と相談して最終的に態度を決定するとしました。
日歯連評議員の一人は、「反省しなくてはいけない状態で、国民に顔を向けて選挙はできない。みんな反対だ。選挙はやるなら一体でやらなくちゃいけない」と話しました。