2004年6月11日(金)「しんぶん赤旗」
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秋山收内閣法制局長官は十日の参院イラク有事特別委員会で、日本に対する武力攻撃が発生していない「武力攻撃予測事態」で日本に向かっている米艦船が公海上で武力攻撃を受けた場合、日本に対する武力攻撃とみなして、自衛隊が米艦船を守るために武力行使することもできるとの見解を示しました。
日本共産党の小泉親司議員が、有事関連法案の「米軍行動支援法案」で規定している「準備行動」として、米軍が日本に来援する場合についてただしたのに答えたものです。
これまで政府は、「日本を守るために派遣された公海上にある米艦船に対する攻撃が、わが国に対する武力攻撃となりうるかどうかは、個別の状況に応じて十分慎重に判断する」(福田康夫官房長官、二〇〇三年五月十六日、衆院安全保障委員会)とあいまいな答弁をしていました。
秋山氏はこの日の答弁で「武力攻撃に該当すると判断されることも法理としては排除されず、その場合、わが国として自衛権を発動して武力を行使し、わが国を防衛するための行為の一環として当該米艦を防衛することもありうる」と踏み込んだ答弁をしました。
小泉氏は、政府も「武力攻撃予測事態」と「周辺事態」が併存すると認めており、「周辺事態」で日本に立ち寄る米艦船が攻撃を受けた場合も、自衛隊が米軍を守ることがありうるならば、「周辺事態」が日本に武力攻撃を呼び込み、自衛隊が米軍を守るために武力を行使することになると指摘。「憲法上にかかわる重要問題だ」と強調しました。