2004年6月10日(木)「しんぶん赤旗」
全国私立学校教職員組合連合(全国私教連、谷正比呂委員長)は九日、私立中学・高校生の学費滞納・退学についての調査結果を発表しました。昨年度、学費が払えずに退学した私立高校生は一校当たり平均一・三八人となりました。修学旅行に不参加の生徒も激増しています。
調査は一九九八年から実施しているもので、今回は高校二百十二校(生徒数計十八万三千七百人)、中学校六十四校(同二万三千七百四十人)を対象に実施しました。
今年三月末までに経済的理由で退学した生徒は、高校で二百九十三人、中学校で六人。高校では一校当たり一・三八人に上ります。前年度の一校当たり一・五六人より減りましたが、「夜逃げ」「父の蒸発」「音信不通」など深刻な例が報告されています。中学生の子どもの学費滞納・退学を苦にして母親が自殺したケースもありました。
滞納・退学の理由としては「入学間もなく父が事業に失敗、多額の負債を抱えて両親が離婚」など、営業不振や倒産、リストラによる失業などがあげられています。
経済的理由で、修学旅行に参加しなかった生徒は五百三人で、昨年の三百三十四人から大幅に増加。調査開始以来最高になりました。
全国私教連では、家計急変者にたいする学費の全額免除を含む授業料補助制度の拡充、私学経常費の二分の一助成の達成などを緊急要求として、運動をすすめています。