2004年6月10日(木)「しんぶん赤旗」
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「廃棄文書は公表されたものがすべてか」「100%大丈夫といえる自信はない」――。九日の衆院内閣委員会で日本共産党の吉井英勝衆院議員は、警察の不正経理疑惑に絡んだ会計文書が大量に廃棄された問題を追及、「警察ぐるみの裏金作りの証拠隠しではないか」として、廃棄経過を含めた徹底調査を求めました。
会計文書の廃棄問題は、裏金疑惑が国会で追及され、警察庁が不正経理を調査している最中に起きたもの。
警察庁のまとめによると、警察内部の規則で定めた五年間の保存期間切れ前に文書の廃棄などが判明したのは、警察庁はじめ、関東、中部、九州の各管区警察局、全国三十八の都道府県警察など全国の部局の四分の三にあたる四十五部局、計三百二十六の課や署。
このうち、警察庁が文書保管を指示した三月二十四日以降では、警視庁、神奈川県警、福岡県警など十部局、十七の課・署に及んでいます。
吉井議員は、保管を指示した警察庁でも三十四部署のうち、会計、人事など五つの課に及んでいること、廃棄された文書が捜査費証拠書類や、カラ出張で裏金をつくる旅費請求書旅行命令簿など裏金づくりにかかわりの深い書類である――と指摘。
「警察ぐるみの証拠隠しではないか」と厳しく批判したうえで、警察庁として文書廃棄の経過と実態の全国的な調査をおこない国会に報告するよう要求しました。
佐藤英彦警察庁長官は「現在そのような観点にたって調査している」と答弁。また、「そのように(証拠隠しを)疑われても仕方ない状況と国家公安委員から指摘されている。速やかに是正・改善したい」とこたえました。