2004年6月9日(水)「しんぶん赤旗」
自民党が八日に発表した参院選公約で、参院で五日に強行した年金改悪法の「二枚看板」を修正しています。
政府・与党は、年金改悪法について「給付は現役世代の50%を確保します」「保険料は国民年金で一万六千九百円で固定し、引き上げません」ということを「二枚看板」としていました。ところが、参院段階になってから日本共産党の追及の前に「二枚看板」は完全に崩れ落ちました。
今回の自民党の公約では「年金改革を断行します」などとして年金改悪法の内容を列挙していますが、そのなかで「年金額(給付)」では「年金を受け取り始める時点の現役世代の平均手取り収入の50%以上を確保」と説明を変えています。「50%以上」が年金を新たに受け取り始める六十五歳時点だけで、後は40%台まで給付水準が下がることが暴露されたからです。
また保険料でも「保険料率18・3%(労使折半)を上限とし、固定します(国民年金では、16900円※)」などとしつつ、※の説明として、ひときわ小さな文字で「平成16年度の賃金水準を基準として表示した額」と注釈をつけています。これも、保険料に上限などなく賃上げに伴い二万円台、三万円台に上がることが国会審議で明らかにされたためでした。
国会審議でも最終段階まで隠していた「二枚看板」のごまかしを選挙公約で認め、「修正」した形です。(藤)