2004年6月8日(火)「しんぶん赤旗」
細田博之官房長官が道路公団の事実上のファミリー企業・「日本道路興運」から運転手の給与として三千百万円の肩代わりを受けていた問題で、日本共産党の富樫練三参院議員の資料要求に応じて国土交通省はこのほど、同省地方整備局が日本道路興運に発注した契約一覧を提出しました。
それによると一九九九年度から二〇〇三年度にかけての五年間、国土交通省から日本道路興運にたいして「自動車運転・車両管理業務」や「庁舎盛粧業務など雑役業務」などとして、毎年二百二十件から二百五十件、百億円程度を発注。運転業務にかかわる車両台数も毎年二千台程度が発注されています。
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「契約一覧」は、日本道路興運が国土交通省の自動車運転・車両管理業務を件数、契約額、車両台数とも、ほぼ定量的に独占していることを表しています。
国土交通省大臣官房会計課によると、二〇〇三年度の場合、地方整備局の自動車運転・運転管理業務などの全契約発注額の約44%を日本道路興運が占めています。
過去五年間の日本道路興運の発注額がほぼ同額であることから受注シェアも同一とみられます。
同社には、国交省から十八人が、公団から四人が「天下り」しており、公団から受注した百万円以上の仕事の七割以上は競争入札のない随意契約だったことが明らかになっています。
これらをみると、疑惑が指摘されている自民党政治家への「ヤミ献金」(運転手の派遣など)、国交省からの独占的受注、国交省と道路公団からの天下りが常態化していることをうかがわせる内容となっており、政官財の癒着構造の全容解明が求められます。(党国会議員団事務局 高瀬康正)