2004年6月4日(金)「しんぶん赤旗」
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BSE(牛海綿状脳症)対策の国産牛肉買い取り事業の開始直前、当時の農林水産省の畜産部長と担当者がハンナン元会長の浅田満容疑者(牛肉偽装事件で逮捕・起訴)と高級牛肉料理店で会食していた問題で、農水省の白須敏朗生産局長は三日、畜産部長と担当者が飲食代を支払っておらず、義務付けられている届け出もしていなかったことを認めました。
日本共産党の宮本岳志参院議員が同日の参院農水委員会で追及したのにこたえたもの。
白須局長は「部長の担当者も、飲食代を支払った覚えがないということだ」と答弁しました。国家公務員倫理法は、補助金交付を申請する利害関係者との飲食を原則禁止。例外として許可をうけるための届け出もされておらず、同局長は「倫理規定に抵触するおそれがある」とのべました。
偽装牛肉を申請した浅田容疑者の「全国同和食肉事業協同組合連合会」(全同食)は当初、買い取り事業の窓口となる事業主体に入っていませんでした。浅田容疑者らが二〇〇一年十月中旬ごろに農水省を訪れ、事業主体への参入を要望。当時の畜産部長のすすめで同日、全国食肉事業協同組合連合会(全肉連)の枠から委託される形で事業参入が決まりました。会食はその日の夜で、全肉連幹部も出席しました。
宮本氏は、全肉連会長が「農水省側から全同食分の肉をお願いされた」と発言していることを指摘。「農水省が全肉連の枠を増やすといって、高級牛肉店で全同食の肉をわりつけたのではないか」とただしました。
白須局長は、「全肉連と全同食幹部の打ち合わせに畜産局長が同席を求められた」などと説明。わりつけの「事実はない」としました。宮本氏は会食は「受託収賄の可能性が高い接待で重大な問題だ」と指摘。元畜産部長の参考人招致で全容を徹底解明するように求めました。