日本共産党

2004年6月4日(金)「しんぶん赤旗」

地方に「有事」計画強制

政府 「国民保護法案」提出前に

参院イラク特 吉川議員追及


 日本共産党の吉川春子議員は三日の参院イラク有事特別委員会で、「国民保護法案」をめぐり、政府が法案提出の三カ月も前の昨年十一月、全都道府県に対してスケジュール表を配り、五年以内に法案具体化の計画をつくるよう示していたことを指摘し、法案提出前から地方自治体にその内容を強制するなど許されないと追及しました。

 吉川氏が示したのは「今後の五カ年間における国民保護関連事業の想定」と題した表。それによると、二〇〇四年六月に同法案が成立する前提で、〇五年四月以降に都道府県、〇六年四月以降に市町村がそれぞれ「国民の保護に関する計画」と「業務計画」を策定。その内容について「実施体制」「計画」「普及・啓発」「避難の検討」「資機材整備」の項目を示しています。

 井上喜一有事法制担当相は「(都道府県の)意見を聞くのは当然だ」と開き直り、「責任がない立場でいろんな評論をするのは自由だ」と暴言。吉川氏は「国会で法律が成立する前から、その内容にもとづいて計画を作ることなどやってはならない。憲法上の問題だ」と批判し、発言の取り消しを求めました。

 吉川氏は政府が示した表にしたがって五カ年の計画をつくった都道府県がすでにあることを指摘し、「これは地方自治体に対する押し付けだ。強制は許されない」と批判しました。


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