2004年6月3日(木)「しんぶん赤旗」
国外販売を目的に海外で制作された邦楽CDが日本に還流(逆輸入)され、音楽家などの著作権者が不利益を被ることを防ぐ著作権法改正案が二日の衆院文部科学委員会で、全会一致で可決されました。
法案はアジアからの還流を防止するもので、欧米からの洋楽CDは輸入禁止の対象とはなりませんが、消費者から「洋盤CDが輸入禁止になるのでは」との懸念の声が上がっていました。
日本共産党は、民主党、社民党と共同で施行状況を見て必要ならばいつでも見直しをおこなうことを明記した修正案を提出しましたが、賛成少数で採択されませんでした。
採決に先立つ質疑で日本共産党の石井郁子議員は、「洋盤の輸入禁止は、消費者はもちろん、日本の音楽家や音楽業界も望んでおらず、法改正の趣旨からもあってはならない」と強調。河村建夫文科相は「欧米からの輸入に影響を及ぼすことのないように運用したい」とのべました。
石井氏が、CDのライセンス料の差など輸入規制の基準を示すよう求めたのにたいし、素川富司文化庁次長は「きちんと基準を定め発表したい」と答弁。
河村文科相は、ライセンス料に著しい差が出るなど「特別なケースがあった場合必要な措置をとる」と法の見直しも約束しました。