2004年5月26日(水)「しんぶん赤旗」
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小泉純一郎首相の北朝鮮訪問についての報告とそれに対する各党の代表質問が二十五日の衆院本会議で行われ、日本共産党から穀田恵二国対委員長が質問に立ちました。
日本共産党は北朝鮮問題の解決にあたって、(1)朝鮮半島の軍事的衝突の危機は絶対に避け、平和的、外交的手段で解決する(2)拉致問題は国際犯罪であり、全面的究明と被害者家族の帰国を実現する(3)戦前の植民地支配の歴史を清算し、日朝の国交を確立する―ことを提起し、二〇〇二年九月の「日朝平壌宣言」を重要な前進として評価しました。
穀田氏は、今回の首脳会談が同宣言を日朝関係の基礎として再確認し、拉致問題や核・ミサイル問題で一定の合意をし、国交正常化交渉への前進の方向を確認したことを評価するとのべました。
拉致問題について、曽我ひとみさんの夫ジェンキンス氏ら家族帰国の見通しや安否不明者に関する再調査の段取りを明らかにするよう求め、核問題について首相が「核を完全に廃棄することで得られるものと、持つことで得られるものは天地ほど違う」とのべて廃棄を求めたことを金正日総書記がどう受け取ったのかをただしました。
さらに日朝国交正常化が「日本と北東アジアの平和と安全を実現するうえでも重要な一歩となる」と指摘。「日本共産党は日朝間の諸問題を平和的な交渉で解決するよう、今後とも力を尽くす」と表明しました。
答弁で小泉首相は、「政党の立場を超えて激励をいただきありがたい」と前置きし、安否不明者について北朝鮮側が従来の姿勢を白紙に戻したことは重要であり、真相解明を図っていくと強調。核問題について、北朝鮮側から「六カ国協議を活用して、平和的解決に努力したいと発言があった」と答えました。
各党が質問に立ち、民主党の鳩山由紀夫氏は「結果はきわめて残念、無念」とのべ、「平壌宣言」を順守する限り「日本は制裁措置の発動はしない」との小泉首相の言明は「外交的大失態だ」と批判しました。
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