2004年5月25日(火)「しんぶん赤旗」
|
有明海沿岸の佐賀、福岡、熊本の三県漁連は二十四日、福岡県柳川市の市民会館で「有明海再生を求める漁民総決起大会」を開き、会場からあふれる千五百人が参加。政府にたいし諫早湾潮受け堤防の中・長期開門調査の実施などを求める決議をしました。
漁民らの決意表明で「(開門調査の)見送りは、漁民を絶望のふちにおとしいれた。強い怒りを覚える。開門調査はプラスになってもマイナスにはならない」「安心して漁ができ、子どもらが希望が持てるように、もとの宝の海に戻してほしい」などの声が次々にあがりました。
決議では、亀井農水相が中・長期開門調査を見送ったことを「環境変化の原因究明と有明海の再生を切実に願ってきた漁業者の期待と信頼を完全に裏切るものであり、到底承服できない」と批判。(1)中・長期開門調査の実施(2)調整池の水質浄化(3)セーフティーネット(安全策)の構築(4)有明海再生事業の充実を求めました。
決議にあたって、会場の漁民から、開門調査に中・長期の文字が入ってないことに抗議の声があがり、漁連幹部が中・長期を入れると確約する場面もありました。
松藤文豪さん(47)=大牟田市=は「私たちはもう時間がない。一人破産したらずるずるほかの者たちも巻き込まれる。切羽つまっとる。中・長期開門調査で潮流をもどさんと有明海はもどらん」と語っていました。
前田力さん(54)=荒尾市=は「(自殺など)犠牲者がいっぱい出てる。あいまいな文言ではだめだ。農水省の手のひらに乗っている。セーフティーネットはノリのタネがつかないと意味がない。今年はタネもつかなかった」と話していました。