2004年5月22日(土)「しんぶん赤旗」
労働者、生産者、女性団体などで組織する全国食健連(国民の食糧と健康を守る運動全国連絡会)は二十一日、農水省を訪ね、アメリカの圧力に屈せず、日本のBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)安全・安心対策を厳守するように亀井農水相あて文書で申し入れました。
BSE問題では、アメリカ牛の輸入解禁を協議する日米専門家会合が始まり、参院選挙後の八月をめどに結論を出すとしています。また、二十六、二十七の両日にはOIE(国際獣疫事務局)の総会でBSEの危険度評価基準の改定がおこなわれようとしています。日本の全頭検査や特定危険部位除去が「過剰対応」などと主張する動きも出ています。
食健連に参加する農民連、畜産農民全国協議会の代表は、アメリカのBSE検査数がごくわずかであり、二十数カ月齢での出荷牛は特定危険部位処理すら義務づけてないことを指摘しました。「アメリカ基準の押しつけは許されない」「牛肉の信頼を崩してはならない」とのべきぜんとした対応を要請。スーパーで牛肉調査をした新日本婦人の会安達絹恵常任委員は、地場国産牛肉こそ消費者に好評だというスーパー側の声も紹介し、「消費者は危ないアメリカ産牛肉がなくても困らない。日本の安全基準を緩和することはやめてほしい」と訴えました。
要請では、トレーサビリティー(生産・流通履歴が分かる仕組み)の輸入牛肉への拡大、FTA(自由貿易協定)で畜産物輸入制限を守ること、飼料の自給率向上策、たい肥施設設置への補助などを要請、活発な意見交換をしました。