2004年5月20日(木)「しんぶん赤旗」
国土交通省の峰久幸義自動車交通局長は十九日の衆院国土交通委員会で、二〇〇二年一月に起きた三菱製大型車のタイヤ脱落・母子死傷事故直後、車輪と車軸とをつなぐ三菱製の部品ハブの肉厚が他社製に比べて薄く、強度上の弱点を抱えていることを示す資料の提出を受けていたことを認めました。日本共産党の穀田恵二議員の質問への答弁。本紙十七日付で国交省が事故直後からハブの構造的弱点を把握していたことを報じましたが、これを認めたものです。
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穀田氏は「事故直後、三菱自動車から他社ハブとの比較を示す資料提出を受けたことがあるか」と質問。峰久氏は「ございます」と答えました。
これまで同省は「設計に原因はない」としてリコールを退け被害を拡大させてきましたが、事故直後から知っていたことを認めたことになり責任が厳しく問われます。
穀田氏は、三菱が作成したハブ破損事故リストに基づき全国の事業所に提出させた「自動車事故報告書」が、同省安全対策室に保管されたまま事故調査にあたっていた審査課に回されなかった問題を追及。報告書の中に「整備に問題はない。ハブに欠陥があるのではないか」との富山の運送業者の報告があったことをあげて、重要文書を放置していた国交省の責任は重大だとのべました。
峰久氏は「内容自体は二〇〇二年六月のリコール監査の際に確認している」と答え、この問題でも構造上に問題があることを以前から知っていたことを認めました。
穀田氏は、再発防止策としてメーカーが保有するユーザーからのクレーム情報の収集・分析、第三者機関による検証体制の確立、人員確保を含めたリコール業務体制の必要性を主張。峰久氏は「メーカーの保有情報の収集、実務専門家による検討会や外部専門家から意見を聞く委員会の設置、リコール業務、監査体制の強化を図りたい」と答えました。