日本共産党

2004年5月17日(月)「しんぶん赤旗」

日歯が安倍幹事長らに感謝

臼田容疑者 代議員会で名前挙げ

障害者福祉法「改正」で奔走


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臼田貞夫容疑者と小泉首相との懇談に同席した安倍官房副長官と石原行政改革・規制改革担当大臣(いずれも当時)=2002年5月24日、「日歯連盟だより」から


 歯科医の診療報酬改定にからむ贈賄容疑で逮捕された臼田貞夫容疑者・前日本歯科医師会(日歯)会長が身体障害者福祉法の「改正」をめぐって、自民党の安倍晋三幹事長(当時、官房副長官)と根本匠衆院議員(元厚生政務次官)の奔走にたいし、日歯の代議員会で名前を挙げて感謝していたことが分かりました。

 二〇〇〇年四月、日歯の会長に就任した臼田容疑者は、歯科医師の診療報酬引き下げ阻止とともに、歯科医師も身体障害者手帳の交付申請に必要な診断書が作成できるように身体障害者福祉法一五条(身体障害者手帳)の改正を大きな目標にしていました。

 そのため、厚生労働省に陳情したり、政界工作を進めた結果、〇一年九月七日、厚生労働省はそれまでの社会局長通知を改正、歯科医にも診断書作成が可能とする「通知」を出しました。その一週間後の同月十三―十四日に開かれた日歯の第百四十三回代議員会で、臼田容疑者(当時会長)は安倍氏や根本氏の名前を挙げ、その尽力に感謝しています。代議員会議事録はこう書いています。

 「今の官房副長官の山口県の安倍晋三さん、それから福島県の根本匠代議士、それから厚生労働省の今田障害福祉部長――この三人の方々が本当に一生懸命この問題について取り組んでいただいたということで、あえて代議員会でお名前を言ってくださいということを(厚生労働省から)言われております」「医師会の先生方、それから安倍先生、根本先生が一生懸命飛んで歩いた姿を私は目の当たりに見ておりますので、心から感謝を申し上げたいと思います」

 安倍氏と根本氏は福祉・年金問題などの提言を目的にする自民党の政策集団「ナイス」に所属しています。メンバーは両氏のほか、石原伸晃行政改革・規制改革担当大臣(現国土交通大臣)、塩崎恭久衆院議員で、四人の頭文字をとって「ナイス」(NAIS)の名がつけられました。

 日本歯科医師連盟(日歯連)などの政治資金収支報告書によると、四議員は日歯連側から表のように総額二千六百五十万円も献金を受けていましたが、最近になって石原議員に四千万円、根本議員に五百万円の迂回(うかい)献金など、ヤミ献金疑惑が相次いで浮上しています。


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