2004年5月17日(月)「しんぶん赤旗」
公立小中学校で一学級の児童・生徒数を、国が法律で定めた標準(四十人)より独自に少なくする「少人数学級」を本年度、四十二道府県が実施していることが十六日までに、全日本教職員組合(全教)の調査でわかりました。
それによると、本年度、宮城、神奈川、山梨、静岡、愛知、富山、大阪、奈良、高知、大分などが小中学校またはいずれかで少人数学級に踏み出し、研究指定校での試行実施を含め一道二府三十九県と昨年度の一・四倍に急増しました。
大きく広がった背景には、父母・教職員など広範な国民が署名や議会請願など粘り強い運動に取り組み、大きな世論をつくってきたことがあります。日本共産党は、国会や地方議会で、国民の運動と結んで繰り返し要求してきました。
こうしたなか、文部科学省は今年、授業で複数の教員が指導する「チームティーチング」などのために配置した教員を、少人数学級実施に活用することを認めざるをえなくなりました。
一方で、小泉内閣は、小中学校教員の給与を都道府県と折半で国が負担する義務教育費国庫負担制度の廃止を狙い、自治体の努力にブレーキをかけようとしています。
調査した全教の吉田洋執行委員は「少人数学級を導入した県の調査でも、少人数学級の教育効果は明らかです。すべての子どもにゆきとどいた教育を保障するため、義務教育費国庫負担制度を堅持させ、国の責任による三十人以下学級の早期実施を強く求めたい」と話しています。