2004年5月14日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の井上哲士参院議員は十三日、参院法務委員会で裁判員制度法案に関し、国民が参加しやすい制度にする立場から裁判員の守秘義務についてただしました。
井上議員は、裁判員を経験した者が大いに経験を語ってこそ制度発展につながるのではないかと質問したのに対し、野沢太三法相は「(裁判員の)出頭率を上げることが大切。評議の秘密に当たらない経験を語ってもらい、問題があれば是正すればよい」と答えました。
これに関し、山崎潮司法制度改革推進本部事務局長は、個人を特定しない意見や経過、テーマであっても「評議の経過」に該当するとし、守秘義務の対象になりうると述べました。また評議の方法・進行についての意見も同様の考えを示しました。
井上議員は本来、制度をよくしていく上で評議がどうであったのかを検証可能にしていく必要があると指摘。検証できなければ改善方も見えず、裁判の信頼性を高めることにならないと批判。また、裁判員は守秘義務に違反すれば刑事罰の対象になるものの、裁判官はその対象にならない問題について、「一方は守秘義務さえ課せられていないのは相当問題ではないか。裁判員も裁判官に準じて扱われるべきだ」と指摘しました。