2004年5月12日(水)「しんぶん赤旗」
産業用ロボットメーカーの安川電機(本社・北九州市八幡西区)から一方的に解雇されたパートタイム労働者二人が解雇無効の確認を求めた裁判で、福岡地裁小倉支部(川久保政徳裁判長)は十一日、パート労働者も正規社員同様に「整理解雇四要件」が適用されるとして、「雇い止めは権利の濫用」と原告側の主張をほぼ認める判決をだしました。
判決は、「解雇するほどのやむを得ない理由はなかった」として、解雇の無効と違法性を認める画期的なもので、解雇した翌月から判決が確定するまでの給与に加え、二人の精神的苦痛にたいする慰謝料として、それぞれ五十万円を支払うことなどを会社に命じました。
八幡工場に勤めていた甲斐敏子さん(59)と林緑さん(49)は、それぞれ十七年間と十四年間にわたり、三カ月の雇用期間満了ごとに労働契約を更新してきました。会社は二〇〇一年六月二十一日付で甲斐さんらの契約を、九月二十日まで更新する手続きした直後、七月二十五日をもって解雇する旨通告してきました。
上司に解雇理由などをたずねても要領を得ないため、甲斐さんらは、全日本金属情報機器労働組合の安川電機パート労働者支部を結成。三回にわたり団体交渉しましたが、会社は、業績不振を理由に解雇を強行しました。同工場では、三十一人が解雇されました。
判決後の報告集会で、甲斐さんは、「二人で勝利できたのは、みなさんのご支援があったから」とのべ、林さんも「パートは『雇用調整弁』ではないといってたたかってきたが、公正な判断を下してくれたことが一番うれしい」と語りました。