2004年5月5日(水)「しんぶん赤旗」
診療報酬改定をめぐる贈賄罪で会長らが四日起訴された日本歯科医師会(日歯)の政治団体、日本歯科医師連盟(日歯連)が、昨年の総選挙で小泉純一郎首相や坂口力厚生労働相ら自民・公明両党などの三百十人を推薦し、うち二百三十六人が当選していたことが同連盟の資料でわかりました。昨年分の政治資金収支報告書が公表されていないため推薦にともなう「推薦料」や「陣中見舞い」の全体額は不明ですが、前々回総選挙では推薦候補に二十万―百万円、総額で一億円を超す額が支出されていました。
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推薦候補者中の当選者リストは日歯連機関紙「日歯連盟だより」二〇〇三年十一月十五日付に掲載されたもの。自民二百十九、公明九、保守四、無所属四人の氏名が一覧表にされています。
自民党の場合、全当選者に占める推薦の割合は92%にも。小泉首相はじめ福田官房長官、中川経済産業相、石原国土交通相、亀井農水相、谷垣財務相、石破防衛庁長官ら閣僚十四人も推薦を受けていました。
小泉首相は前々回総選挙(二〇〇〇年)でも推薦を受け、神奈川県歯科医師政治連盟から「選挙関係費(推薦料・陣中見舞い)」として百万円を受けていました。
リストにある公明党九人のうち、冬柴鉄三幹事長、北側一雄政調会長ら八人は小選挙区。比例ブロックで推薦を受けて当選したのは坂口厚労相一人だけでした。
坂口厚労相については、総選挙のさいの愛知県歯科医師連盟の内部文書が「今後歯科医療政策を十二分に理解していただくためにも…公明党も推薦する」と重視。昨年十一月には総選挙投票日直前の公明新聞に、坂口厚労相と臼田容疑者の対談記事が料金推定百六十万円の大型広告として掲載されました。
前々回総選挙では日歯連は三百三十四人を推薦(うち二百三十五人当選)、一億円を超す資金を投入し、政界工作を強めてきました。