2004年5月2日(日)「しんぶん赤旗」
「世界に憲法九条を発信したい」――。憲法を踏みにじった自衛隊のイラク派兵や、連休明けにも年金大改悪法案の衆院通過が強行されようとする緊迫した情勢のなかで一日、東京・代々木公園で開かれた第七十五回中央メーデー。初夏を思わせるような日差し。四万二千人以上の参加者が、さまざまなデコレーションやプラカードなどを手に、平和を守れ、暮らしを守れと小泉内閣への怒りの声をあげました。
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大きな虹色のイタリアの反戦平和の旗「PACE(パーチェ)」を手に、家族そろって個人参加した東京都小平市の会社員、橋本聡子さん(27)は「アメリカなどによるイラク攻撃にも、戦争にも絶対に反対。日本が自衛隊にイラクを派兵したのは間違っている」。
子どもを肩車した夫のマルコ・モンタナーリさん(30)も「PACE」を掲げて、米英などのイラク攻撃反対をアピール。「イタリアのメーデーは市民がいっぱいくりだしてお祭りみたいだが、初めて参加した日本のメーデーは主張がはっきりしている。日本の人質になった人たちは、NGO(非政府組織)としてイラクの人たちを助けようとしていたのはすごい。ぜひ日本でこういうNGOの手伝いをしたい」と話します。
「自衛隊のイラク派兵反対」と書かれたマントを身にまとった東京・豊島区職員労働組合の山中学さん(49)=府中市=は、憲法改悪反対に地域から反対の声を上げるため、駅頭で早朝宣伝をしています。「憲法改悪をさせないよう、市民の半分を目標に賛同のよびかけにとりくんでいます。民主主義と国民の権利を、憲法を守るなかで広げていきたい」と話しました。
たくさんの怒りと要求が書かれた白衣を着る中学校養護教諭の佐々木弘子さん(48)は、都教組豊島支部の仲間との参加です。佐々木さんはイラクで人質だった二人の会見を見て「彼らは真実のかたまり、応援したい。市民が自分の考えでこの国を動かしていくんだと胸にとどめなければ」とふだんは家のベランダにかかげている「自衛隊のイラク派兵に反対します」とかかれた横断幕を広げました。
劇団風の子で役者をする城戸智大さん(25)=練馬区=は、いままでメーデーといわれてもピンときませんでした。今年は友人に自衛隊員がいるため、「友達には人を撃ってほしくないし、けがもしてほしくない。政府は国民をばかにしたことをやめてほしい。声は力になるという言葉を聞いて今回初めてきました」。劇団員と作った花がさに国に対する思いをすべて書きました。