2004年4月30日(金)「しんぶん赤旗」
日本高等学校教職員組合(日高教)と全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)は二十八日、二〇〇三年度「高校・障害児学校卒業生の就職実態調査」の結果を発表しました。正規社員の求人の少なさから、やむなく就職を断念して進学へと進路変更する生徒やフリーターになる生徒、派遣や請負、パートといった不安定雇用の職に就く生徒が多く、高校生の就職は依然として困難な状況にあることが明らかになりました。
ことし三月に卒業した生徒のうち、就職が決定した生徒の率(就職決定率)は88・9%。同調査は、最後まで就職を希望しながら内定を得られなかった卒業生は全国で二万五千六百人にのぼると推定しています。「就職・進学以外」の生徒は六千四百六十九人(11・2%)と、十人に一人がフリーターになったと分析しています。
今回初めて調査項目に入れた「不安定雇用の職に就いた生徒」は、回答のあった二十六道府県のうち静岡県を除くすべての道府県から「該当者あり」の報告があり、結果は就職決定者の3・3%となりました。
現場教職員の自由記述欄には、「派遣・請負は不本意だが『職がないよりは』と卒業が近くなってから受ける生徒が増加」(青森県)、「大手が派遣業に頼る傾向を見せている」(茨城県)、「就職が難しいことが分かり、就職希望者の約4割が進路変更」(兵庫県)、「男子の希望は製造業が多いが、派遣会社の求人が多く、直接雇用でないので将来への不安が残る」(山口県)との声が寄せられています。
調査は、日高教と全国私教連傘下の各県組織を通じて実施し、二十六道府県三百三十五校(卒業者数五万七千六百五十九人)から回答を得ました。